橘玲(たちばなれい)という作家が、きょう発売の週刊プレーボーイ(3月25日号)「真実のニッポン」という自らの連載の中で、日本の外交・安全保障政策の本質に関する極めて重要な問題提起をしてくれた。
すなわち、辺野古移設問題について、こう書いている。
彼はまず、代替案を示す事ができないまま、結局辺野古移設を容認するしかなかった鳩山民主党政権の失敗を批判したうえでこう書いている。
「・・・それでも代替案を出せと言われたら、唯一の可能性があるのは『日本から米軍に出ていってもらうことです・・・」と。
「・・・トランプ大統領は『アメリカが負担する米軍の海外駐留は認めない』と断言しているのですから、(安倍首相が)首脳会談で「『思いやり予算』はもう払えませんと言えば『解決』する話です」と。
まさしくその通りだ。
ここまでわかりやすく書かないと日本国民は気づかない。
ここまでは100%橘氏に同感だ。
問題はその後に続く橘氏の主張だ。
彼はこう続ける。
「そうなれば(筆者註:「日本から米軍が出ていくと」という意味)、日本は真に『独立』して、大量の核兵器を持つロシア、中国、北朝鮮という隣国から自力で国民・国土を守ることになります」と。
これも100%その通りだ。
問題はどうやって自力で日本を守るかである。
これこそが、我が国の外交・安保政策の最大の論点である。
そして、この究極の問に対し、橘氏の答えははっきりしている。
「・・・(そうすれば)当然、『核兵器保有』を求める大きな政治勢力が登場するでしょう。米軍の『核の傘』があるからこそ、日本の右傾化=軍事化が抑えられてきたのです。『沖縄に辺野古はいらない』というリベラルは、この不愉快な現実とちゃんと向き合わなくてはいけません」
そう橘氏は締めくくっている。
何の事はない。
橘氏は米国の「核の傘」支持者であり、自民党ハト派の言い分を代弁しているのだ。
しかし、この橘氏の最後の指摘こそ、新党憲法9条が挑む最大の課題なのである。
実は新党憲法9条支持者の中にも、同様の意見を持つものが少なからずいる。
右翼化した国民の多くは難しい事を理解できず新党憲法9条では国を守れないと考えていると。
私は、そうは思わない。
橘氏の懸念するように、「『核兵器保有』を求める大きな政治勢力が登場するでしょう」とは決して思わない。
一部の声高な連中がそう言い立てるだけだ。
大多数の国民は何も分からないのだ。
分からなければ教えればいいのだ。
少しでも本当の事を知れば、米国の核の傘では日本は守れない、それどころか、ますます危険になる。
そのことがわかるはずだ。
なぜなら、それが真実であるからだ。
私を論破できる者は一人もいないだろう。
米軍は、日本の外交・安全保障にとって不要であり、ましてや新たな基地を辺野古につくるなどということはあり得ないのだ。
普天間基地に代替施設は不要であり、普天間基地は無条件で即刻日本に返還されなければいけない。
それだけを言い続ければいいのである。
自信を持ってそう主張する政党、政治家が今の日本の政治に存在しないから、いつまでたっても辺野古移設は阻止できないのだ。
いまこそ新党憲法9条である(了)
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