想定外の結末だった。
その理由について、「専門家」と称する連中が雲霞のごとくテレビに出演し、様々な事をまるで見た事のようにしたり顔で語っている。
いわく金正恩の読み間違いだ、トランプ外交の独りよがりだ、首脳外交の限界だ、などなど。
それらはもちろん的外れではない。
しかし本当の理由はそこにはない。
いくら交渉がまとまらなかったと言っても、一切の合意文書をつくらず、共同記者会見も開かない形で終わったなら、完全な交渉決裂だ。
しかし、トランプ大統領の単独記者会見を見ているとまったくその気配はない。
これは交渉決裂ではなく、トランプによる交渉中断なのだ。
その理由は、まさしく交渉を始めようとした、その時に、ワシントンで行われたコーエン弁護士の議会証言にある。
実際のところ、ここまですさまじい議会証言は前代未聞だ。
これではさすがのトランプも、合意する気になれなかったに違いない。
この証言にもとづいて始まる民主党の追及を考えれば、ハノイ合意など何の宣伝にもならないと思ったに違いない。
それどころかハノイ合意をしても、弾劾で失脚したらまぼろしの合意になる。
だからとりあえずトランプとしては中断した方が得策だと考えたのだ。
私が想定した二つのシナリオのうちの一つが見事に当たった。
トランプはやはりロシア疑惑に屈服したのである(了)
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