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お言葉で天皇陛下は韓国に言及されるだろうか

 天皇御在位30年式典のきょう、毎日新聞が天皇陛下の過去の活動を特集記事で報じていた。

 その中で私が注目したのは1992年10月の天皇陛下の訪中である。

 当時の記憶は薄らいでいるが、訪中の是非について議論があり、訪中で語られるお言葉についても議論があったはずだ。

 その事に一切言及なく、毎日新聞の記事は、北京の人民大会堂で開かれた夕食会で当時の国家主席である楊尚昆氏と乾杯されている天皇陛下の姿と共に、つぎのようなあいさつ文の一部を淡々と紹介している。

 「我が国が中国国民に対し、多大の苦難を与えた不幸な一時期がありました。これは私の深く悲しみとするところであります」と。

 このお言葉は、93年の河野談話の中の、「・・・このような問題(筆者註:慰安婦問題のこと)を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」と続き、そして1995年の村山談話で次のように結実した。

、「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。」

 この談話こそ、それ以降の内閣が継承する我が国の公式見解となったのだ。

 それを見直そうとしたのが安倍首相だった。

 しかし、安倍首相でさえそれを否定する談話を発表する事はできず、そのかわり、なし崩し的に逆行する政策を取り続けて来たのである。

 天皇御在位30年式典のきょう、はたして天皇陛下は、訪韓してお言葉を発する事の出来なかった代わりに、この機会に韓国や日韓関係に言及され、歴史認識について、せめて中国で発せられたお言葉を発せられるだろうか。

 いや、もっと踏み込んで、村山談話と同じような反省とお詫びの言葉を語られるのだろうか。
 
 それとも、安倍首相の検閲に従って一切の歴史認識への言及がないまま、お言葉は終わるのだろうか。

 それは今日の午後にわかる。

 明日の新聞各紙はその事をどう報じるのだろうか(了)

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