安倍首相が1月30日の自民党大会で、またいい加減な発言をしたらしい。
すなわち、自衛隊の募集が思うように集まらないと見えて、その責任を地方自治体の非協力ぶりにあると追わんばかりの発言をしたというのだ。
この発言が、きのう12日の衆院予算委員会で取り上げられたことを、私はきょうの新聞で知った。
安倍首相は、自衛隊募集の協力を拒んでいる自治体が6割以上もあると言ったらしい。
ところが実際は何らかの形で自衛隊募集に協力している自治体は9割近くに上ることがわかったという。
野党はこれを、自衛隊明記の改憲に向けた情報操作だと、国会で追及したらしい。
おもしろくなってきた。
私は、この安倍首相の自衛隊募集発言を歓迎する。
その理由は、安倍首相による情報操作の有無が安倍首相を追い込むと思うからではない。
情報操作ぐらいでは追い込めないし、情報操作ではなく単なる愚かな発言だとすら思う。
私が歓迎するのは、安倍首相が自衛隊員が集まらないのは自治体の協力不足だと言わんばかりの発言をしてくれたおかげで、全国の自治体が、自衛隊問題、憲法問題について、否が応でも真剣に議論しなければならなくなるからだ。
そして真剣に議論すればするほど地方と地方の住民は気づく事になる。
集まらない理由は自治体の非協力さではないと。
政府が自衛隊のやる気をなくしているのではないかと。
日本の国防とは関係のない米国の戦争に巻き込まれて命を落とすような自衛隊に誰が志願するというのかと。
自衛隊がどんどんと米軍の下請けのようになり、地方に米軍の危険性が広がってきているのではないかと。
なによりも、地方創生にとって戦争は起きてはならない最大の災害ではないのかと。
こうして安倍首相の自衛隊募集発言は、地方自治体の憲法9条問題、自衛隊問題、ひいては日米軍事同盟問題に関する議論に火をつけてくれる事になる。
そして、正しい情報と、知識を持てば持つほど、憲法9条を変えるべきではない、少なくとも今は憲法9条改憲は必要ない、もっと他に、国は急いでやらなくてはいけない政策がある、と気づく事になる。
私が安倍首相の自衛隊募集発言を歓迎する理由がそこにある(了)
Comment On Facebook