米国が(中距離核戦力(INF)全廃条約を)破棄するならロシアも破棄する。
こうプーチンのロシアが対決姿勢を示すのはわかる。
「売り言葉に買い言葉」だ。
しかし、中国がトランプの提案したあらたな核規制条約づくりを即座に否定したのには驚いた。
核大国を目指す事を隠そうともしない軍事覇権国である中国の正体見たりだ。
そんな中で、おそらく世界で一番慌てふためいているのが日本に違いない。
なぜか。
それは、いよいよ米中ロの核ミサイル戦争の最前線に立たされるおそれが現実になるからだ。
冷戦が終わってもなお米国との軍事同盟を維持し、それどころか強化して来たのが日本の安全保障政策だった。
そのあやまりが見事に露呈したのだ。
河野外相は1日、こう語ったらしい。
「米国の問題意識は理解するが、条約が終了せざるを得ない状況は世界的に望ましくない」と。
「日本は、米ロだけでなく中国を含む関係国としっかりやりとりしながら、軍縮に資する枠組み作りに貢献したい」と。
そしてまた、きょう2月3日の朝日新聞は社説でこう書いている。
「このままでは、核軍拡が野放図に広がる。米ロは既存のルールを土台としつつ、中国を含む全核保有国を包含するあらたな核軍縮の枠組みづくりを目指すべきだ」と。
いいだろう。
その通りだ。
しかし、米国の核の傘を最優先し、世界の多数の国が希望した核廃絶条約に参加しなかった河野外相は、自らの言葉を実現できるというのか。
憲法9条と日米同盟が矛盾している事を知っていながら、その矛盾を受け入れる日本を褒めたたえて来た朝日新聞社は、米ロや中国にえらそうな注文をつける資格があるのか。
いまこそ日本の政治家たちは、与党も野党も、これからの日本の安全保障政策について国民の見ている前で正面から議論すべきだ。
憲法9条を国是とした外交・安保政策なのか、その憲法9条を真っ向から否定する米国との軍事同盟を国是として米国の戦略に従属し続けるのか、ごまかす事なく、白黒つけるべき時だ。
それなのに、国会でINF離脱問題が議論される気配はない。
いま私の目にお前に映し出されるテレビ(関口宏のサンデーモーニング)では、岡本行夫や姜尚中が、かことしやかな顔をして、米中露や北朝鮮のパワーゲームのごとく解説している。
そんな場合ではない。
日本の安全保障政策をどうすべきかという、待ったなしの問題なのだ。
いまこそこの国の政治の中に新党憲法9条が必要な時である(了)
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