もはや白黒つけられなくなった日韓関係の情報合戦である。
その行き着く先が韓国軍の「海自哨戒機の威嚇飛行」動画の公開だ。
韓国軍が高度60-70メートル、距離540メートルまで接近したと主張したのに対し、河野統幕長はすかさず、高度は150メートル以上、距離は1000メートル以上離れていたと反論した。
しかし、この論争は平行線のまま終わらざるを得ない。
もし韓国軍が、動画をねつ造して数字をごまかしていた事が明らかになれば、その時点で韓国軍は終わりだ。
だから韓国軍が捏造を認めるはずがない。
そして、ばれる事がわかりきった捏造発表をするほど韓国軍が愚かだとも思えない。
その一方で、河野統幕長の反論もウソではないだろう。
威嚇飛行を許していたらその時点で海自は終わりだ。
しかし、トップがそう信じていても、トップが現場のパイロットの行動をすべて把握しているとは限らない。
飛行規則がそうなっていても現場のパイロットが規則違反をすることまで防げない。
統計ミスと同様に、担当者の考えられない飛行ミスがなかったとは言えない。
もし現場のパイロットが、相手は韓国軍だと高をくくって低空威嚇飛行を繰り返していたなら、そしてそれを岩屋防衛大臣や河野統幕長が知らなかったとすれば、今度は日本がアウトだ。
だからこの問題は、あのレーザー照射疑惑と同様に、白黒つけられないまま終わる。
あとに残るのは相互不信だ。
これ以上日韓関係が悪化すれば大変だ。
だから日韓関係はしばし冷却期間を置くしかない。
きょう1月25日の朝日の社説も書いている。
「冷静に摩擦の収束を」と。
そこまではいい。
しかし、その社説の最後はこう締めくくられている。
「安倍首相と文在寅大統領は今こそ直接対話し、両国民に協調の価値を説くべきである」と。
なんというおためごかしの社説であることか。
だから朝日新聞は偽善的と批判されるのだ。
すべては安倍首相の動画公開から始まったとなぜ書かないのか。
安倍政権が続く限り日韓関係の改善は無理だとなぜ書かないのか。
いまさら安倍首相に忖度する必要は朝日にはないはずである(了)
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