きょう1月24日の読売新聞が、ダニエル・ラッセル氏のインタビュー記事を掲載していた。
そこに書かれているラッセル氏の安倍対ロ外交の評価は辛らつだ。
「私は元外交官としてロシアのラブロフ外相を知っており、プーチン大統領も見て来た」
こう語るラッセル氏は、その後に続けてこう語っている。
「プーチン氏は一貫して、領土を手放すのではなく獲得する方向で動いて来た。この事実を前にして、1956年の日ソ共同宣言に明記された歯舞群島と色丹島だけでもプーチン氏に返還させる影響力が日本にあるのか」と。
そして、力を強める中国をけん制するため日ロ関係を改善するのだ、という日本国内の一部の意見を、次のように切って捨てる。
米国との関係が悪化し、欧州とも問題を抱えているロシアは中国しか頼る相手はいない、日ロ関係が改善したところで中国に与える影響は少ない、と。
極めつけは日米関係に言及した次のくだりだ。
「米露関係が悪化する中でもし日本が・・・ロシアに融和的に接したり、ロシアの誤った行動に目をつぶったりすることがあれば、それは米国にとって非建設的な日露関係になる」と。
ダレスの恫喝ばりの、ラッセルの恫喝だ。
ラッセル氏はただの識者ではない。
民主党のオバマ政権下で国家安全保障会議のアジア上級部長や、アジア担当国務次官補を務めた知日派外交官だ。
しかもこの考えは、共和党のトランプ政権下にあっても、共有されている考えに違いない。
要するに、安倍外交は米国において超党派で官僚や外交専門家から警戒されているということだ。
その警戒を克服できる唯一の手は、同じく米国のすべてから警戒・批判されているにもかかわらず、それを無視して自らの考えに突き進むトランプ大統領の信頼と理解を得る事だ。
しかし安倍首相は、トランプ大統領とゴルフはしても、政策においてトランプ大統領と緊密に電話連絡している形跡はない。
それどころか、トランプ大統領は、米朝合意で安倍首相を無視し、日米貿易交渉で安倍首相を窮地に追い込もうとしている。
トランプ大統領に見捨てられたら時点で安倍首相は終わる。
その時が静かに迫って来ているような気がする(了)
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