野党叩きに余念のない産経新聞であるが、これもそのひとつだ。
きょう1月15日の「正論」で、神谷万丈防衛大学校教授が「野党は内向き脱し外交を論じよ」という見出しで、北方領土問題に関連して要旨次のように書いている。
すなわち、ここでは、4島返還から2島返還という方針転換の是非については踏み込まない。問題にしたいのは、かくも重大な政策転換が行われようとしているにもかかわらず、日本が北方領土についていかなる選択をすべきなのかについて、議論らしい議論が起こっていないことだと。そして、その最大の責任は野党にあると。
彼らが何もしなかったというのは言い過ぎかもしれない、各党は、それぞれの立場を、それなりに表明はしていると。
しかし、国の外交の質を高め、国益にかなうものにしていくためには、政府の掲げる外交方針に対するもっと真剣な議論が不可欠だと、だが野党は立場表明で終わってしまっている、と。
この批判に限っては、まさしく「正論」であると思う。
そして、さらに神谷氏は続ける。
野党の外交・国際問題への情熱不足は日露関係に限った事ではないと。
北朝鮮問題、米中貿易対立問題もそうだと。
政権交代が起これば政権を担当する事になる野党が、外交にかくも無関心であるという状況は、日本にとってきわめて不幸なことだと。
まさしくその通りなのである。
そして、この外交政策こそ、野党は自公政権に対抗する政策が示せていない、いや一致した外交政策不在なのである。
これでは安倍政権を倒せない。
倒したところで、たちまち外務官僚に丸め込まれ、外交は自公政権と同じになってしまう。
外交は継続性が大事だと、日米同盟こそ日本外交の基軸だと、言い出しかねない。
まさしく民主党政権の外交がそれだった。
野党共闘が克服すべき最大の課題である。
いまこそ新党憲法9条外交である(了)
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