きょう1月14日の東京新聞の論説「日々論々」を読んで驚いた。
大嘗祭について、天皇家の私的な支出に充てる「内廷費」で賄うべきだと発言された秋篠宮を例に挙げて、皇族の発言は慎重であるべきだと正面から批判している。
返す刀で、秋篠宮が西村康彦宮内庁次長を、「聞く耳を持たなかった」とばらした事について、「短慮」な論難だと切り捨て、西村次長はこの叱責に萎縮してはいけないとまで書いている。
安倍擁護の右翼でさえ、言えいたくても言えなかった皇族批判を、まるで彼らを代弁して書いたごとくだ。
この論説では、天皇陛下のお言葉についての言及はないが、当然のことながら天皇陛下の発言も念頭にあるに違いない。
護憲を売り物にする東京新聞だから、皇族といえども憲法順守、つまり政治的発言を禁止している憲法4条を守れということなのだろうか。
あるいは、象徴天皇制になったのだから、皇族もまた一般国民と同じであり、東京新聞の批判の対象の一人に過ぎないとでも言いたいのだろうか。
しかし、今の皇族が、安倍首相の憲法9条違反の暴挙に、平和を願う国民に代わって、憲法違反のおそれをおかしてまで反対していることを国民は知っている。
西村宮内庁次長が、天皇陛下のお言葉事件を受けて、安倍首相が天皇陛下のお目付け役として送り込んだ警察官僚だということを我々は知っている。
だからこそ、私などは、あ秋篠宮発言を歓迎し、安倍擁護の右翼たちは苦々しく受け止めたのだ。
しかしその右翼たちも、正面から天皇批判、皇族批判ははばかった。
それを知った上で、きょうの東京新聞は、社会部・小松田健一記者の署名入りの論説で、皇族批判をした。
いい度胸だ。
私はこの東京新聞の論説をあえて評価する。
一昔前なら、少しでも天皇批判をすれば右翼に殺される時代だった。
しかし、東京新聞ですら、一社会部記者ですら、署名入りで、顔写真つきで、ここまで皇族批判が出来るのだ。
これこそが国民主権の世の中だ。
そう皮肉を込めて書いておきたい。
それにしても、東京新聞は面妖な新聞だ。
護憲や反原発を売り物にする一方で、中国たたきや皇族発言批判では、安倍擁護の右翼とまったく同じだ。
そんな東京新聞を、私はいつも是々非々で読むことにしている(了)
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