このところ北方領土問題に関するロシア側の態度が硬化している。
その理由は間違いなくプーチン大統領の安倍首相に対する失望だ。
つまりプーチン大統領は繰り返し安倍首相の覚悟を試した。
返還した場合、そこに在日米軍を置かないと約束できるかと。
私は何度も書いた。
ピンチをチャンスにしろと。
安倍首相が歯舞、色丹の二島返還で決着する腹を固めたのなら、そこに在日米軍を置かないと約束することは可能だ。
米軍にとってそこに在日米軍を置く必要性はもはやない。
だから、トランプ大統領との良好な仲をいまこそ活用してトランプ大統領の了解を取り付け、プーチン大統領に米国を説得した、だから返してくれと迫ればよかったのだ。
ところが、対米従属の安倍首相は頭からその知恵はなかったと見えて、逆にプーチン大統領を説得しようとした。
在日米軍はロシアの脅威にはならないから心配いらないと。
これを聞いたプーチン大統領は、安倍はダメだ、と思ったに違いない。
決定的な外交ミスだ。
そう思っていたら、きょう1月10日の各紙を見て驚いた。
なんと在日米軍トップのマルティネス司令官がきのう9日、日本記者クラブで講演し、次のように語ったというのだ。
「現在、これらの島に戦力を置く可能性はない」と。
こんなことを在日米軍トップに先に言われてしまってはおしまいだ。
いまさら、歯舞、色丹に在日米軍を置かないと米国に約束させます、とは言えなくなった。
アベはそんなことも米軍から知らされていなかったのか、プーチン大統領は驚いたに違いない。
百歩譲って、もし安倍首相がその事を米国側から知らされていたとしよう。
そして、知っていたからこそ、在日米軍はロシアの脅威にはならないプーチン大統領に伝えたとしよう。
アベは米国の言う事をそのまま繰り返す、米国の使い走りか、と言う事になる。
どっちに転んでも安倍首相は救いがたい外交下手だ。
こんなことでは北方領土は一島たりとも取り返せないだろう。
もはや北方領土解散などありえないということである(了)
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