秋篠宮さまが、53歳の誕生日を前に、きのう11月29日に記者会見を開かれた。
そこで日本を揺るがす大きな政治的発言をされた。
すなわち、天皇の代替わりに行われる皇室行事である「大嘗祭」の経費について、「宗教色の強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と異議を唱えられたというのだ。
平成の時代の最後にふさわしい超ど級の爆弾発言だ。
これほど政治的に大きな影響を与える発言はない。
この言葉は戦後の日本の国体の矛盾を見事についた言葉だ。
いうまでもなく戦後の日本は国民の知らないところで、国のあり方について大きな矛盾を抱えて出発した。
憲法9条より日米安保条約の方が上位にあるという矛盾がその最大のものだ。
しかし、それと同じように大きな矛盾が、主権在民と政経分離を謳った新憲法が同時に象徴天皇制を認めている矛盾である。
憲法9条といい、象徴天皇制といい、我々はその矛盾を現実のものとして受け入れて来た。
その矛盾を公に議論することなく今日まで来た。
しかし、平成の時代が終ろうとしているいま、秋篠宮さまはそれを敢えて口にして、政府や官僚たちが国民の知らないところで進めようとしているこの国の矛盾に、それでいいのかと、国民に問いかけられたのだ。
まさしく2016年8月8日の天皇陛下のおことばと同じなのだ。
政府や御用メディアはこの秋篠宮さまの発言をあえて大きくしないように努めるだろう。
それどころか批判的に報じるものすら出て来るだろう。
そうさせてはいけない。
一大論争にして、最後は国民に決めさせなければいけないのだ。
私はもちろん秋篠宮さまの意見に賛成だ。
しかし、天皇制や皇室典範に詳しくない世論だから、ひょっとして国費からの支出を認める意見が多数になるのかもしれない。
そして政府やメディアがそう誘導するのかもしれない。
いずれにしても、この問題は秋篠宮さまが発言した時点で最大の政治問題になった。
メディアは、与野党の政治家を含め、あらゆる識者の意見を聞くべきだ。
その答えによってその人間の本性が明らかになる。
私なら小泉純一郎に聞いてみる。
なにしろ小泉純一郎は天皇陛下よりも国民的人気のある政治家であるからだ。
象徴天皇制下の日本の最大のジョークである(了)
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