安倍首相は、間違いなく、二島先行返還にもとづく日ロ平和条約締結を、自らの外交の遺産(レーガシィ)として、最優先で取り組む事になる。
その事を、田原総一朗と佐藤優が見事に一致して教えてくれている。
すなわち発売中の週刊朝日最新号(11月30日号)の「田原総一朗のギロン堂」で、田原総一朗はこう書いている。
安倍首相は米軍基地問題がはっきりしないと返還は難しい事を十分に承知しているはずだと。
おそらく安倍首相はトランプ大統領と何らかの話し合いを行い、ある手応えを感じ取っているのではないかと。
そして、そのことを11月14日のプーチンとの首脳会談でプーチンに伝えたのではないかと。
そして次のように締めくくっている。
「大胆に予想すれば、来年1月に行われる日ロ首脳会談で、北方二島についての具体策がまとまるのではないか、と私は見ている」と。
その一方で、佐藤優はアサヒ芸能の最新号(11月29日号)「ニッポン有事」でこう書いている。
11月14日の首脳会談は大成功だった。北方領土問題の解決に向けた道筋が見えて来た。二島返還プラスアルファが実現すると。
ロシアは返還後の歯舞、色丹島に米軍が展開しない事の保証を求めてくるだろうが、日本は米国と協議して、プーチン大統領を安心させることを出来る約束をすればいいのだと。
そして次のように締めくくっている。
「いずれにせよ来年6月のG20サミットが大阪で開かれる時までに北方領土問題が解決される可能性が出てきた」と。
まさしくこれが安倍首相の目論見だろう。
しかし、二人とも、二島返還の具体的内容については触れていない。
問題の核心になる歯舞、色丹の領有権(主権)返還につては、それが実現するとは決して書かない。
私は、二島といえども領有権を日本に返還するという明確な合意はないと考える。
プーチン大統領が決してそれを認めないからだ。
しかし、それでも安倍首相はいいのである。
すくなくとも、北方領土問題はこれで解決したと言えればいいのだ。
これ以上ない、「やった感」を国民に与える事が出来るだけでいいのだ。
なぜ田原総一朗や佐藤優が来年前半までに合意の可能性が出てきたと書くのか。
それは、北方領土返還の「やった感」を掲げて、安倍首相が解散・総選挙、つまり7月の衆参同日選挙に打って出るからだ。
間違いなくそうなるだろう。
野党が二島先行返還を批判すればするほど、安倍首相が解散・総選挙に打って出ることになる(了)
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