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日中改善の罠にみずから飛び込んでいった安倍首相を歓迎する

 今度の安倍首相訪中のキーワードは何か。

 それはずばり日中関係の改善だ。

 今度の訪中の目玉は、李克強首相や習近平主席との首脳会談でも、晩さん会でもない。

 日中平和友好条約締結40周年を祝う事であり、その祝賀式典に出席することだった。

 そして、それがきのう行われた。

 そこで安倍首相は、先輩たちの努力で結ばれた日中平和友好条約を、「恒久的な平和友好関係を発展させる」ものだと、これ以上ない言葉で持ち上げ、これに対して李克強首相は、「より成熟で穏健な中日関係を結ばなくてはならない」と安倍首相に釘を刺した。

 日中平和友好条約を祝い、そして新たな次元の日中関係の構築をここま日中両首脳が宣伝した以上、もはや安倍首相は中国との関係を再び悪化させることは出来なくなった。

 なぜなら、歴史認識や尖閣問題で再び中国と中国国民を怒らせるような言動を安倍首相がするなら、その時こそ、日中関係は修復が出来ないほど悪化するからだ。

 私はこれを安倍首相がはまった「日中関係改善の罠」という言葉で呼びたい。

 しかし、それは安倍首相がみずから望んだことだ。

 すなわち、支持率低迷に悩む安倍首相は、売り物にしてる安倍外交で点数を稼ぐしかない。

 そのためには、自らの歴史認識や対中強硬姿勢を封印して、日中平和友好条約締結40年を祝う演出をするしかなかった。

 それを安倍首相の方から持ち出した。

 それを見透かした習近平の中国は、安倍首相の対中友好姿勢が後戻りできないように歓待して応じたのだ。

 このように安倍首相と習近平の思惑は異なる。

 しかし、日中友好を演出するという点では見事に一致した。

 私は、安倍首相が、みずからすすんで「日中改善の罠」にはまったことを歓迎する。

 日中関係は改善するにこしたことはないからだ。

 安倍首相でも、やろうと思えば日中関係改善が出来るのだ。

 これまでの日本の首相がやってきたことを、なぜもっとはやくやらなかったのか、というだけの話だ。

 もはや安倍首相は対中強硬姿勢に戻れない。

 もし、もどれば、その時こそ、安倍首相は、野田民主党政権の時以上に、日中関係を悪化させた首相と語り継がれる事になる。

 民主党の野田首相に負ける事は安倍首相にとっては耐えられない事だ。

 だから安倍首相は日中関係改善に励むしかない。

 私はそれを歓迎する。

 安倍首相を応援する中国嫌いの連中は腹立たしくてならないだろう。

 だったら安倍首相に文句を言ってみろということである(了)

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