きのう10月16日の毎日新聞が、日米貿易交渉の担当大臣である茂木敏充経済再生担当大臣に単独インタビューして、極めて重要な発言を引き出すのに成功していた。
すなわち茂木大臣はそのインタビューの中で、「車で攻め、農業で守る」という言葉を使って、米国の理不尽な要求に対し、最後は自動車産業の利益を守るために農業を犠牲にするという本音を漏らしたのだ。
もちろん、そんなあからさまな表現はしていない。
自動車で攻めるという意味は、「米国が日本の農産品についてTPPと同水準を求めてくるのであれば、米国の工業品について、日本は米国にTPPと同様の内容を求める」
すなわち、米国と対等の立場で交渉に当たると偉そうに言っている。
これが茂木氏の言う「自動車で攻める」と言う意味なのだ。
しかし、その一方で、一部の農産品について、TPPの水準を超えるものも出てくると、譲歩の可能性を示している。
「(この間発表したばかりの日米首脳会談後の共同声明に書かれている)『最大限』ということは全体としての話であり、仮にどこかでそれより突き抜ける部分が出て来たら、違うところで、そこよりへこむ」ことになればいいといっている。
つまりこれは一部産品でTPP以上に譲歩する事を認めたということだ。
しかもである。
自動車についても譲歩する事になるのだ。
つまり自動車は関税交渉だけではない。
数量規制こそが米国の対日攻勢の切り札だ。
この数量規制については、反対するとは言っているが、最後にどうなるかは交渉次第だという。
つまり、茂木大臣はこの毎日新聞の単独インタビューで、来るべき日米交渉について早々と白旗をあげたのだ。
あの日米首脳会談からわずか一カ月で本音を口走ったのだ。
私は今日の各紙がこの茂木大臣の発言をどう報じるか注視していたが、どの新聞も報じていない。
メディアもまた米国の圧力に譲歩するしかない事を知っているのだ。
知っているから、いまは書かないのである(了)
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