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憲法9条それは希望

AI(人工知能)に関する二つの記事に思う

 AI(artificial intelligence )という言葉は、いまではそれを目にしない日はないほどの流行り言葉になっている。

 そのAIに関する注目すべき記事をきょう10月14日の新聞で二つ見つけたので紹介したい。

 ひとつは日経新聞に掲載されていた「未踏に挑む」と題するインタビュー記事の中で、東原敏昭和日立製作所社長が語っていた次の言葉である。

 「二つの意味で従来型の『製造業』はなくなる。まず大量生産を前提とする工場の価値が減る。膨大な生産データをビッグデータ解析し人工知能(AI)で分析すれば、製造工程の不具合や生産ロスを効率的に減らせる。工場の品質が均一化する可能性を秘めるが、技術者が担って来たこの分野こそ日本の製造業の強みだった。デジタル化はそこに付加価値を見出す事を難しくする。3Dプリンターなど最新技術を駆使すれば、データを基に設計図面を自動生成し金型や製造プロセスに落とし込める。データから何でも作れる。しかも少量多品種で。そんな時代が目の前に来ている・・・
 デジタル経済がもたらすもう一つの変革は消費者に近いところで起きている。電子商取引や電子決済の普及だ。購買にまつわるあらゆるデータは消費者が欲するものと欲しないものの線引きを明確にし、そこにメーカーもサービス事業者も集中する。メーカーとそれ以外の垣根が崩れる。メーカーだけではない。エネルギー、運輸などすべての業態で垣根が消える。・・・世の中のニーズをつかめる企業だけが生き残る時代が来る・・・」

 およそビジネスに無縁の私でも、なんだかとてつもなく大変な競争時代になってしまったことがよくわかる文章だ。

 もうひとつは朝日新聞の「日曜に想う」で福島申二編集委員が書いている武器のAT化だ。いわゆる軍人のロボット化だ。

 大岡昇平とジョージ・オーエルという日英の二人の戦争体験作家の文章を引用して、人間が銃口の引き金を引く時の心理的抑止力が、AI兵器の行き着く先である殺人ロボットの時代になると無機的、無表情で人を殺せる事になる、その時は、もうそこまで来ているという記事だ。

 この二つの記事が意味するもの、それは本体なら人類の発展に寄与すべき科学の発展が、人間性を否定するというパラドックスだ。

 それを防ぐ唯一の手段は「法と秩序」だとアインシュタインは言ったらしい。

 私は日本の憲法9条の精神こそ最善、最強の防御手段だと思っている。

 憲法9条のすばらしさに気づかない日本人は愚かだ。

 それを平気で捨てようとする政治家たちはほとんど犯罪者である(了)

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