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対北朝鮮外交で米国に後れを取るなと書いた佐藤優

 今度の安倍・トランプ会談では通商問題と並んで議題になったのが対北朝鮮外交だ。

 安倍首相はここでもウソをついた。

 河野外相が9月14日の定例記者会見で語ったように、朝鮮戦争の終結は「次期尚早だ」とするのが日本の立場だ。

 そしてこの日本の立場についてトランプ大統領との会談で日米の緊密な連携が確認されたと安倍首相は語った。

 まるで非核化まで制裁を緩めない事で一致したと言わんばかりだ。

 ところが、首脳会談直後に、トランプ大統領は米朝首脳会談が近く行われると発表した。

 トランプ大統領は朝鮮戦争終結に踏み切るということだ。

 おりからきょう発売のアサヒ芸能(10月4日号)で佐藤優が書いているのを見つけた。

 最近やたらに佐藤優の記事を引用する事の多い私だが、特別の理由があるわけではない。

 最近の佐藤優は正しい事を言っているから、それを紹介するまでだ。

 彼はまず河野外相の、朝鮮戦争の終結宣言は時期尚早だという発言を厳しく批判する。

 どうやら河野氏は朝鮮半島の政治的・軍事的状況が大きく変化し始めていることがわからないようだと。

 そして佐藤優は次のように自らの見立てを語っている。

 近く第二回米朝首脳会談が行われる。

 その結果、朝鮮戦争の終結に向けた動きが始まる可能性がある、と。

 佐藤優がこの記事を書いたのは、今度の安倍・トランプ会談の前だ。

 そしてトランプ大統領は安倍首相との会談直後に2回目の米朝首脳会談が近く行われる事を発表した。

 まさしく佐藤優の予想した通りの展開だ。

 佐藤優は最後にこう書いている。

 平和条約が結ばれて朝鮮戦争が終結すると、韓国から米軍が撤退するシナリオが現実的になると。

 そうなれば北東アジアの戦略的情勢は一変すると。

 日本は後手に回り、不利な状況を押し付けられると。

 だから、そうならないために安倍首相は一日も早く金正恩氏と会って日朝間の信頼関係を構築する必要があると。

 具体的には東京の朝鮮総連本部を北朝鮮連絡事務所に格上げし、日本政府が平壌にあらたに日本政府連絡事務所を設置する事に合意することだと。

 日本の取るべき対策はまさしくこれである。

 そして安倍首相はそれを狙っているに違いない。

 拉致問題の解決にとってこれが最善の策だと胸を張って(了)

 

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