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自民党総裁選の政策論争から逃げまくる安倍首相

 予定通り安倍首相が自民党総裁選出馬の表明をきのう8月26日に行った。

 5年8カ月もの長きにわたって首相を続け、何一つ成果を見せられなかったのに、さらにあと3年とは、いくら何でも厚かまし過ぎる。

 しかし、私がここで言いたいのはその事ではない。

 とっくの昔に表明していたはずなのに、延期、また延期で、なぜがここまで遅れたかである。

 それは、政策論争から逃げまくっているからだ。

 きょう発売の週刊現代(9月8日号)が教えてくれた。

 某テレビ局が討論番組のオファーを出したところ、まだ正式に表明していないと言って取りつく島もなかったというのだ。

 それなら、公式表明をしたのだから、これから政策論争に応じるのか。

 応じない。

 逃げ続ける。

 総裁選の公示日は9月7日だ。

 公開討論は公示日の後に堂々とやる。

 そう言えばいいのだ。

 公示日の9月7日から投開票日の9月20日まで2週間ある。

 公開討論に十分すぎる時間がある。

 その間にいくらでも出来る。

 そう言って、また逃げるだろう。

 ところが公示日後も、安倍首相は9月11日からロシアの東方経済フォーラムに出席する事が決まっている。

 この東方経済フォーラムには、当初、金正恩委員長が出席することが見込まれ、だからこそ安倍首相が出席して、そこで日朝立ち話首脳会談が行われるかもしれないと期待されていた。

 しかし、金正恩委員長の出席が無い事が公表された。

 その時点で東方経済フォーラムに出席する意味はほとんどなくなった。

 せいぜい習近平主席が出席して中露関係の結束を宣伝するような東方経済フォーラムに、日本の首相がのこのこ出かけて何の意味があるのか。

 しかもプーチンとの首脳会談は、何度くり返しても、共同経済開発プロジェクトさえ進める事の出来ないほど不毛であることが証明されている。

 それでも安倍首相は予定通りに出席するというのだ。

 その間はもちろん、政策論争などできない。

 結局は総裁選の直前まで政策論争をする時間はなくなる。

 そして、総裁選の直前には、メディアは安倍圧勝の予測数字を書き立てて、いまさら政策論争など意味がないと言い出すだろう。

 かくて安倍首相は最後まで政策論争から逃げまくるつもりだ。

 なぜ安倍首相はそこまで政策論争から逃げるのか。

 それは総裁選においてもモリカケ疑惑が追及されたら今度こそ困るからだ。

 忘れかけた世論を目覚めさせることになる。

 それだけは避けたいのだ。

 ならば石破候補はこのモリカケ疑惑を徹底すべきだ。

 実際のところ、このモリカケ疑惑はいまでも安倍首相にとって最大の弱点なのである。

 なにしろ国民の7割以上が今でも納得していないからだ。

 ところが石破氏は脅かされてあっさりと封印してしまったごとくだ。

 だから石破氏は駄目なのだ。

 どうせ勝ち目がなく、負ければ干される事はわかりきっている。

 野党のようなマネをするなと批判されれば応酬すればいいのだ。

 何をバカなことを言っているんだ。

 自民党の対立派閥こそ最大の野党だったではないかと。

 それが自民党の良さだったのではないかと。

 石破氏は、覚悟を決めて、モリカケ疑惑を自民党総裁選で徹底追及すべきだ。

 その時こそ総裁選が面白くなる。

 総裁選で勝てなくても石破氏にはその後のチャンスが残る。

 このまま単なる政策論争で終わるなら、石破氏は二度と来ないチャンスを失う事になる(了)

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