総裁選を前にして安倍首相と石破元幹事長が好対照の姿を見せている。
その姿はまさにこの国の政治の退廃を象徴するごとくだ。
きのうのメルマガで私は書いた。
米中貿易戦争を前にして必死で対米政策を議論する中国の主導者たちと比べ、日本の首相を決める総裁選を前にして会食やゴルフに打ち興じている日本の指導者たち。
このあまりの違いはどうだと。
しかしそれだけではない。
それをあたかも重要な政治ニュースのように流す日本の御用メディア。
普通の民主国家なら、いや、韓国はもとより中国ですら、こんな報道が流されたら国民は激怒するに違いない。
だから決して流そうとはしない。
ところが日本はどうだ。
メディアが動画入りで流し、国民は黙ったままだ。
彼らのせいで「万引き家族」のような映画がつくられる世の中になってしまったというのにである。
その一方で、石破氏が必死に安倍首相との政策の違いを訴えている。
どれひとつとっても安倍政権に対するこれ以上ない批判だ。
安倍首相に反発する国民はもとより、安倍首相支持者にとっても、避けて通れない論争のはずだ。
ところが安倍首相は逃げまどっている。
そんな安倍首相に忖度するメディアは、安倍首相に論戦を求めないばかりか、会食、ゴルフばかりを報じ、その一方で石破氏の事は報じない。
モリ・カケ疑惑追及や安倍首相の憲法9条反対など、物凄い事を喋っているにもかかわらず。
明らかな石破隠しだ。
自民党総裁選隠しである。
議論なしに安倍圧勝に導こうとしているのだ。
このまま行けば石破氏は干上がってしまう。
とんでもない政治状況になってしまったものだ。
きのうの日刊ゲンダイはこう書いている。
真正面から戦っても動かない自民党なら、石破はいっそ自民党を飛び出したらどうかと。
同感だ。
しかし、その受け皿がない。
まさしく政治の退廃の極みである(了)
Comment On Facebook