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安倍政権への打撃となりかねない韓国最高裁の政治介入疑惑

 きょう8月3日の各紙がいっせいに報じた。

 朴槿恵政権下の韓国で、最高裁が元慰安婦や元徴用工など、対日外交に影響が及ぶ可能性のある訴訟で、政治的配慮をしていた疑惑が浮上し、ついに韓国検察が韓国外務省などを捜査しはじめたと。

 実は私は韓国のリベラル系メディアから7月31日にインタビューを受け、この問題を知っていた。

 その記者によれば、今韓国では最高裁の政治介入が大問題になっている。

 韓国の裁判制は日本のそれを見習って作られた。

 だから、日本の最高裁はどうなっているのか、日本の裁判所では政治介入の問題は起きていないのか、それを聞きたいという。

 私はその記者に対し、真っ先に砂川判決について説明した。

 すなわち、米国の機密文書によって発覚した、あの伊達判決を握りつぶした田中耕太郎最高裁長官の政治介入事件の事である。

 そして、なんといっても、いま目の前で現在進行形の、最高裁による安倍政権への忖度判決の連続である。

 これ以上の最高裁の政治介入はない。

 その記者は、モリカケ疑惑については知っていた。

 しかし田中耕太郎最高裁長官が駐日米大使と密議を重ねて伊達判決を覆した事は知らなかった。

 そしてまさしく朴槿恵政権下で行われていた最高裁の配慮もそれと同じだと驚いた。

 この韓国で起きている最高裁の司法介入疑惑は、その進展いかんでは安倍政権に打撃を与えざるを得ないだろう。

 だからこそ、安倍政権側に立つ読売新聞と産経新聞が大きく書いた。

 日韓政府間の合意で解決した慰安婦問題や徴用工の問題は、朴槿恵政権と最高裁の取引疑惑が浮上した事により、再燃しかねないと。

 この疑惑の反動で、韓国最高裁が今後日本に厳しい判決を下すようになれば、日韓関係への打撃は計り知れない(読売)とまで書いている。

 しかし、安倍政権にとっての本当の打撃はそれだけではない。

 韓国では権力の私物化によって朴槿恵政権は国民の手で引きずり降ろされた。

 最高裁の政治介入疑惑が発覚し、ここまで大騒ぎになりつつある。

 それにくらべて日本はどうか。

 安倍政権の権力私物化についてなぜ日本国民は怒らないのか。

 なぜ田中耕太郎最高裁の歴史的な司法介入が判明したというのに、最高裁は動かないのか。

 もしこの事が、韓国発で騒がれ始めたら、安倍政権はひとたまりもないだろう。

 韓国で動き出した最高裁の政治介入疑惑から目が離せない(了)

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