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「保身を捨てる」石破が本物なら強い

 きのうのメルマガで私は書いた。

 安倍首相との一騎打ちになれば石破茂に勝ち目はないと。

 勝ち目がないとわかった段階で、石破茂も岸田と同じように不出馬に追い込まれるのではないかと。

 しかし、きょう7月27日の朝日新聞を読んで、私はその見方が間違っていたことを知った。

 石破氏はきのう7月26日の講演で、「保身を捨てる」と述べて対抗意識をあらわにしたというのだ。

 もし石破氏とその側近が、負けを覚悟し、負けた後に人事で冷遇されることをおそれずに一騎打ちに挑む覚悟をしたなら、それは強い。

 「自民党のため、いや日本のために安倍3選を阻止する」と打って出れば、もっとすごい。

 安倍3選確実と言われている情勢は一変するのではないか。

 安倍・菅暴政コンビの卑劣さが嫌でも目立つようになり、判官びいきの世論をひきつけるのではないか。

 しかも、朝日新聞は、石破派幹部はこう言っていると書いている。

 すなわち3選を果たした途端、あとは「日没の安倍さん」しかない。

 これに対してこれからは「日の出の石破さん」の番だと。

 実はその通りなのだ。

 ここまで分かって、覚悟を決めたのなら石破茂は強い。

 そう思っていたら、もっとすごい発言を知った。

 きょうの地方紙(下野新聞)が教えてくれた。

 きのうの講演は、東京都内で開かれた共同通信加盟社論説研究会で行われた講演だったと。

 つまり全国の地方紙の論説委員の集まりの場で事実上の出馬宣言をしたわけだ。

 そして私が最も注目したのは、そこで石破氏が次のように日米地位協定の改定に言及したことだ。

 すなわち石破氏は、沖縄の米軍基地負担に触れながら「(日米地位協定の)改定は禁句だそうだが、取り組まなければいけない問題だ」と述べ、さらに在日米軍基地について、「日本が管轄権を持ち、米軍がゲストとして存在することは地位協定上、決して不可能ではない」と指摘したという。

 これこそが、野党も含め、この国の政治家が一度も口にしたことがなかった究極の政治テーマだ。

 それを総裁選の主要争点にするというのだ。

 もしそれが本当なら、野党を巻き込んだ国を二分する一大論争になる。

 野党共闘が石破氏を推すと声を上げれば、自民党の分裂まで巻き込んだ、本当の意味で政権交代につながる自民党総裁選になるのだ。

 石破氏の不出馬により、自民党総裁選はつまらなくなると書いたみずからを恥じる。

 「保身を捨てる」石破が本物なら、政局の中心は、9月の自民党総裁選まで、安倍・石破の一騎打ち一色になる。

 そうなってもらいたいものだ(了)

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