西村康稔官房副長官が9日夜のBS日テレで明かしたらしい。
米国務省が発表した非核化の履行、検証のために米朝が複数の作業部会を設置したという説明はウソであり、実際は「米国務省内に作業部会を設けたということだ。米朝間ではない」と語ったというのだ。
この発言を裏付けるように、米国務省のナウアート報道官は9日、共同通信の取材に答え、その事実を認めたらしい(11日ワシントン発共同)
やはりポンぺオ訪朝時の実務者協議は不調に終わったということだ。
ところが、この不調を、日本のメディアは一方的に北朝鮮のせいにしている。
産経や読売がそう書くのはわかる。
しかし、7月10日の毎日社説が「根本的な問題は、6月12日の米朝首脳会談で『完全な非核化』に合意したもかかわらず、北朝鮮は具体的な行動を起こそうとしないことだ」と書き、きょう7月11日の東京社説が「次は北朝鮮が動く番だ」と書いている。
米朝首脳会談の前の日本のメディアは、「悪いのは北朝鮮」一色だったが、米朝首脳会談の後でも、相も変わらず「悪いのは北朝鮮」一色で押し通している。
しかし、ポンぺオ訪朝の後に北朝鮮の外務省は発表した声明をよく読むと、米国側は非核化の事ばかりをアレコレ執拗に要求し、米朝首脳会談のもうひとつの合意、つまり北朝鮮の体制保証については何も言及せず、北朝鮮の体制保証と表裏一体である朝鮮戦争終結に実現に向けた提案を何ひとつ行わなかったという。
これは、あの米朝首脳合意をよく読めば、誰もがわかる米国の合意違反だ。
だからこそ北朝鮮外務省は外務省談話で不満を表明せざるを得なかったのだ。
そして、あの外務省談話の中で、もう一度米朝首脳会談の合意に立ち返るべきだ、トランプ大統領に対する信頼はまだある、とトランプ大統領にメッセージを送っているのだ。
この事を日本のメディアが知らないはずがない。
しかし、この事を指摘した日本のメディアは皆無だ。
どこまで行っても日本のメディアは、北朝鮮問題については一億総安倍首相化だ。
どこまで行っても日本のメディアは日米同盟最優先主義であり、それを壊そうとするトランプ大統領に批判的だ。
世論が北朝鮮に強硬姿勢を崩さないのは、安倍政権とメディアが結託した北朝鮮叩きのせいである(了)
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