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最悪のタイミングではじまる日米の新たな二国間貿易協議

 きのうの日経新聞が教えてくれた。

 日本政府は7月下旬にも初の閣僚級の貿易協議を米ワシントンで開く方向で調整に入ったと。

 おりから米国はついに中国と貿易戦争を始めた。

 そんな中で米国との二国間貿易協議を始めることは最悪だ。

 米国はますます米国第一主義を押し出して、圧力を強めてくるだろう。

 しかし、日本は喜んで米国との貿易協議を始めるのではない。

 もはやこれ以上引き延ばせないのだ。

 逃げまどっていた日本が、最悪のタイミングで協議を始めざるを得なくなったということだ。

 果たして安倍政権はどう対応するのだろう。

 その記事は三つのシナリオを想定している。

 一つは米国の20%自動車追加関税を飲まされることだ。

 発動されれば日本の自動車メーカーへの影響は計り知れないという。

 二つは日米二国間自由貿易協定(FTA)を求めてくるシナリオだ。

 日本はTPPで11カ国の関税引き下げに応じたばかりだ。

 それを下回る関税引き下げを米国が要求してくることは間違いない。

 それを飲むと、TPP諸国を裏切ることになる。

 三つ目は、トランプが自動車関税やFTAにこだわらず、その見返りとして11月の中間選挙前のディール(取り引き)を求めて来ることだ。

 これは、米国産防衛装備の輸入拡大や、米国の第三国市場開拓のインフラ整備を日本が肩代わりするシナリオだ。

 どのシナリオになっても日本は苦しい。

 笑ってしまうのは、この記事が、第三のシナリオが安倍政権にとって一番飲みやすいと書いているところだ。

 日本の負担がこれで済むなら、自動車業界や農業の受けるダメージが小さくなるからだという。

 一版国民をバカにした記事だ。

 こんな苦しい日米貿易協議を担当するのは誰か。

 茂木敏充経済財政担当相であるという。

 相手はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表だという。

 これでは、交渉前から結論はでている。

 押し切られる事は明らかだ。

 そもそも貿易協議はトランプ大統領と安倍首相が行うべきものだ。

 それを、ペンス副大統領と麻生副総理に代わってさせた経緯がある。

 それほど重要な日米間の協議だったはずだ。

 それが、麻生副総理がユダヤ発言で相手にされなくなって、今や閣僚レベルの交渉になった。

 はじめから負けるに決まっている貿易協議だ。

 安倍政権はまたひとつ国民をごまかすしかない難題を抱え込んだと言う事である。

 野党は安倍長期政権を嘆く必要はない。

 安倍首相は、すべての政策で行き詰まって政権を投げ出さざるをなくなる。

 間違って政権交代が起きれば、野党は安倍失政の尻拭いをさせられて、たちどころに行き詰まる。

 やはり野党では対応しきれないと再び恥をさらすことになる。

 すべてを安倍政権の手で済ませた後の方が、何をやっても安倍政権よりはましだという事になる。

 好きなだけ安倍首相にやらせた方がいいのだ。

 そう思えば腹も立たない(了)

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