きょう7月6日、ついに米国と中国が制裁関税の発動期限を迎える。
きょうの日経新聞は、一面トップで、「米中緊迫 世界が固唾」という見出しをつけて、われわれが戦後初めて目撃する「貿易戦争」について大きく報じている。
果たしてこれからの世界経済はどうなるのか。
結論から言えば、核戦争と同じように、貿易戦争もまた悲劇的な事にならずに最後は妥協が図られると思うが、ここで書きたいのはその事ではない。
この貿易戦争にどう対応すればいいかである。
今度の貿易戦争で真っ先に責められるべきは、もちろん、それを仕掛けたトランプである。
なにしろ、今度の一方的な米国の制裁措置は、米国第一主義から見ても理に合わない不当なものだからだ。
そして、そのようなトランプの制裁発動に対する正しい対応はWTOへの提訴である。
法の支配に従った唯一の正当な対抗措置だ。
しかし、提訴の結論が出るまでには時間がかかる。
しかもトランプはWTOの判定に従わないだろう。
従うくらいなら、最初から、WTO違反の制裁関税などかけないからだ。
そこで中国や欧州・カナダなどは報復制裁で応酬した。
しかし、報復制裁もまた決して正しい対応ではない。
それをするから貿易戦争になるのだ。
貿易戦争になれば皆が経済的被害を受ける。
報復制裁もまた正しい対応ではない。
しかし、不合理な制裁に黙っているわけにはいかない。
制裁は先にかけたほうが悪いのだ。
だからこそ中国はしきりに米国をけん制するのだ。
中国から先に制裁をかけることはしないと。
あくまでも理不尽な米国の制裁に対する対抗措置であると。
そして、この中国の主張は、時差の関係上、中国が先に制裁をかけることになるだろうとする一部の報道に対する反論でもある。
このようにして、米国の仕掛けた貿易戦争に巻き込まれる国々は、みな自らの正当性を訴えて外交合戦を繰り広げている。
そんな中でただひとり参加していない主要国がある。
それが日本だ。
そう書いていくと、なんだか安倍首相が戦争に反対する平和主義者のように聞こえるが、そんな筈はない。
日本は、トランプの理不尽な要求の最大の犠牲国であるにもかかわらず、WTOへの提訴もせず、報復関税を行う中国や欧州、カナダにも加わらない。
ただひたすら日本は米国の最大の同盟国だと懇願してトランプのお目こぼしを待つしかないのだ。
対米従属ここに極まれりということだ。
トランプが仕掛けた理不尽な貿易戦争の前に黙るしかない日本は、あまりにも無策だ。
世界の笑いものになっているに違いない(了)
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