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沖縄タイムスのスクープ記事を黙殺した大手新聞

 発売中のサンデー毎日最新号(7月8日号)に二つの注目すべき記事を見つけた。

 その一つは「大使館ルート」なるものは全く機能していない、という浅川新介記者の手による要旨次のような記事だ。

 すなわち、日朝首脳会談への意気込みを強調する安倍首相がよく使う言葉に、「北朝鮮との間で北京の大使館ルートと、さまざまな手段を通じやりとりを行っている」というのがある。

 ところが、これがまったくデタラメで、北朝鮮大使館関係者は、この1年-2年、日本大使館からは何ら接触がない、と否定している、という記事だ。

 もっとも、北京の日本大使館が機能していない事は、すでに東京新聞の五味洋治記者が繰り返している述べている事から明らかだ。

 つまり北朝鮮側への抗議はファックス一本で済ませている、という例の笑い話のような証言だ。

 だから、この浅川記者の記事は、やはりそうだったのか、という程度の記事だ。

 しかし、もう一つの記事は深刻だ。

 友寄貞丸記者の手によるその記事の要旨はこうだ。

 米中央情報局(CIA)が米軍基地をめぐる沖縄の世論をどう操作するか研究した「沖縄解説書」なるものを作っていたという。

 2012年1月にCIAのオープンソースセンターがまとめた「沖縄における基地と政治」(全60ページ)がそれだ。

 この、米政府の政策立案者向けに作成されたとんでもない解説書を、沖縄タイムスが情報開示請求で入手し、5月27日、28日の二日にわけて特報したという。

 サンデー毎日の記事に書かれているその一部ですら、米国の沖縄占領政策の正体を見事に物語る噴飯物の報告書だ。

 ところが、これほど貴重な沖縄タイムスのスクープ報道にもかかわらず、大手新聞が報道した形跡はない。

 もし、どこかが報じていたとしても、大手新聞を毎日読んでいる私が見落としていたぐらいだから、目立たない小さな記事で済ませたに違いない。

 これを要するに、安倍政権に都合の悪いニュースは、たとえそれがどんなに重要な事でも大手新聞は黙殺するということだ。

 いまからでも遅くない。

 野党はこのCIAの解説書の存在を国会で提起し、国民に米国の正体を明らかにすべきだ。

 真実を知らなければ何も気づかない。

 なかったことと同じになる(了)

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