きょう5月28日の朝日新聞紙上で、リッパート前駐韓米国大使が米朝首脳会談の行方について見事に言い当てている。
米朝首脳会談の実現に向けて前に進むだろうと。
両国は(中止発表後も)離反するのではなく、逆に首脳会談の開催に向けてお互いに近づきつつあると。
極め付きは、今度の首脳会談はトップダウンで決定されるとして、次のように語っているところだ。
すなわち、準備期間が短いことから、会談までに課題の詳細部分を詰める事は難しいと。
だから首脳会談で望まれる成果は、詳細部分を協議するための実務者協議の枠組みを確立させることだと。
その通りだ。
つまり今度の首脳会談は、トランプと金正恩が北朝鮮の体制保証と引き換えに北朝鮮の完全非核化で合意する。
首脳間の合意はそれだけでいいのだ。
そして首脳間のその合意こそすべてなのだ。
体制保証が何を意味するか、不可逆的で検証可能な完全非核化が何を意味するか、そんな事は、トランプと金正恩がトップダウンで合意した後で、実務者が時間をかけて協議すればいいのだ。
その間に北朝鮮の改革、開放は一気に進む。
皆が北朝鮮の経済開発、観光開発に参加する。
トランプタワーが平壌に出来るかも知れない。
もはや、体制保証とか北朝鮮の非核化など、どうでもよくなる。
いくら時間をかけてもいいから実務者同士で満足いくまで勝手にやってろと言う事になる。
これこそがトップダウンの合意なのだ。
これまでのボトムアップ方式の否定だ。
官僚たちが警戒するのはまさしくその事だ。
しかし、トランプや金正恩にはそれはまったく通じないということだ。
反対すればたちどころに更迭されるか粛清される。
歴史が動く時とは、そういう時である(了)
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