政府は6月12日にシンガポールで開かれる米朝首脳会談に合わせ、米国への支援と情報収集の為に外務省のアジア大洋州局長を現地に派遣する方針を固めたという。
きのうの各紙がそう報じた。
これには笑ってしまった。
トランプも、習近平も、金正恩も文在寅も、みな必死でみずから首脳外交をやっている時に、官僚を派遣してどうする。
森・加計疑惑隠しで忙しくて自分が首脳外交に参加できないなら、せめて仕事のなくぶらぶらしている谷内NSC局長でも派遣したらどうか。
そう私はツイッターで冷やかした。
そうしたら昨日の夜おそく、日刊ゲンダイの記者が電話取材をしてきた。
どうやら安倍首相はみずからシンガポールに行きたがっているようですよ、これをどう思いますかと。
これには驚いた。
やはり蚊帳の外に置かれる事を安倍首相はよほど気にしていると見える。
自らも首脳外交に参加したいのだ。
出来るものならやって見ろだ。
私はその日刊ゲンダイの記者に、私のコメントはこうだと答えた。
よくぞ決断した。
さすがは外交の安倍首相だ。
そう言って褒め殺すのが正解だと。
もしシンガポールに行って首脳に会えなかったら恥をかくのは安倍首相だ。
なかでも一番重要なのは金正恩と会談できるかだ。
なぜなら今の安倍首相にとって一番重要な問題は拉致問題であるからだ。
そして金正恩は会うと言っている。
会えなければ拉致問題は安倍首相の手で解決出来ないということだ。
そしてもし会えたとしても、そこで金正恩から「解決済みだ」と言われたら文字通りお終いになる。
安倍首相は大きなジレンマに苦しむ事になる。
そしてもし、トランプや習近平や文在寅大統領に会って、「北朝鮮が完全非核化するまで圧力をかけ続けろ」と言えば、空気の読めない奴だと言う事になって、皆から嫌われる。
もしトランプや習近平や文在寅に会って、米朝首脳会談の合意に賛成する成功を期待する、と迎合すれば、これまでの安倍首相の主張は一体何だったのか、と言う事になる。
日本会議の仲間たちから腰砕けと批判される。
そして、もしシンガポール外遊で何も成果が得られなければ、森友・加計疑惑から逃げるためにシンガポールに逃げたと野党に責められる。
どっちに転んでも安倍首相にとっていいことは一つもない。
だから、ここは安倍首相を褒め殺すべきだ。
よくシンガポールまで行って首脳外交する決断に踏み切ったと。
それでこそ日本の首相だと。
安倍首相をその気にさせてシンガポール行きを決断させたほうがいいのである。
果たしてきょうの日刊ゲンダイはどのような記事を書くだろう(了)
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