新党憲法9条

憲法9条それは希望

米朝首脳会談は事実上の米中首脳会談になる

 予想通りの展開だ。

 トランプ大統領はボルトンの言うリビア方式をあっさり否定し、金正恩の体制保証を明言した。

 つまり、核を放棄すればカダフィのようにはさせないというわけだ。

 金正恩独裁体制、すなわち、金王朝を認めるということだ。

 まさしくこれこそが、核を手放しても金正恩委員長が望むところなのだ。

 ところが、北朝鮮が反発したもう一つの問題が残っている。

 つまり米韓軍事演習に対するけん制だ。
 
 この点については、米国は軍事演習を続けると言い続けている。

 そして不思議な事に、韓国の文在寅大統領は沈黙を守ったままだ。

 なぜ文在寅大統領はトランプ大統領に軍事演習を止めるように要求しないのか。

 南北融和と言う切り札を切ったはずなのに。

 この私の疑問に、きょう5月19日の毎日新聞が見事に答えてくれた。

 今後の米朝首脳会談の焦点は、北朝鮮の非核化の問題よりも、むしろ在韓米軍問題が争点になってくるというのだ。

 これですべてに合点が行く。

 かつて報道はこう私に教えてくれた。

 最初の中朝首脳会談では在韓米軍の撤退を求める習近平主席に対し、金正恩委員長は消極的だったと。

 そして、韓国の文在寅大統領も在韓米軍の撤退と南北融和は別の問題だと言い続けている。

 これを要するに、金正恩委員長も文在寅大統領も、中国の軍事的覇権をけん制するために在韓米軍をカードとして使っているのだ。

 そう当時の報道は私に教えてくれた。

 ところが、突如として開かれた大連での第二回目の中朝首脳会談で、金正恩委員長は、米国から体制保証を得るための習近平主席の後ろ盾と引き換えに習近平主席の要求する在韓米軍の撤退を飲んだのだ。

 いまから思えばそうに違いない。

 金正恩委員長が突如としてリビア方式と米韓軍事演習の二つを批判してトランプ大統領をけん制した事は、第二回の中朝首脳会談で決まったのだ。

 そして、南北融和を最優先する文在寅韓国大統領も、北朝鮮がここまで米韓軍事演習を批判した以上、それを米国に要求せざるを得なくなる。

 かくして5月22日に予定されている米韓首脳会談では、米韓軍事演習の停止と在韓米軍撤退問題が主要テーマとなるに違いない。

 これを要するに、米朝首脳会談はもはや事実上の米中首脳会談になるということだ。

 おりからトランプ大統領と習近平主席の間では経済問題(貿易摩擦)と安全保障問題(南シナ海、台湾)でせめぎ合っている。

 トランプ大統領は、経済問題で実利を得ることを優先して習近平主席を譲歩させ、外交・安保問題では習近平主席に譲歩するのではないか。

 在韓米軍の削減・撤退に踏み切るのではないか。

 朝鮮戦争の終結と在韓米軍撤退が合意されるのではないか。

 それは日本にとっても喜ばしい事であるが、間違った歴史認識を持ち、憲法9条を否定する安倍首相にとっては、最悪のシナリオとなる(了)

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