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唐突で無意味だった日中首脳パフォーマンス電話会談

 5月4日に突如として行われた安倍首相と習近平中国主席との電話首脳会談をどう評価したらいいか。

 それは、ズバリ、南北和平という歴史的動きに取り残された安倍首相が、そうではない、自分も首脳外交に参加しているのだと国民にアピールするためだけのパフォーマンスだったということだ。

 そのことを、安倍首相の御用新聞である読売新聞の今日の紙面が見事に証明してくれている。

 他の新聞がいずれも小さく報道している中で、読売新聞だけがこんなくだらない電話会談を一面トップで大きく、詳しく報じた。

 それによるとこうだ。

 日本の首相が中国の国家主席と電話で会談するのは初めてで、日本側が呼びかけたものだと。

 板門店宣言に北朝鮮の完全な非核化が盛り込まれた事を評価する考えで一致したと。

 制裁決議の履行などで緊密に連携する事も確認したと。

 拉致問題の早期解決に向けて協力する事にも同意したと。

 何のことはない。

 もはや米朝首脳会談は決裂どころか成功必至となった今、そのきっかけとなった南北首脳会談にひとり水をかけて来た安倍首相が、これではまずいと日中電話会談をつかってちゃっかり軌道修正を図ったのだ。

 おまけに制裁継続と拉致問題についても、自分の主張があたかも理解を得たかのように付け足す事を忘れない。

 そして読売新聞は電話会談後の安倍首相の発言を詳しく報じている。

 日本の首相と中国の国家主席が電話協議するのは日中関係の改善が進んでいるということだと。

 私からは北朝鮮が核、ミサイル問題の解決に向けて進み出したことにつぃて、習氏の働きかけに敬意を示したと。

 日中平和友好条約締結40周年の今年、あらゆる分野における国民同士の交流を飛躍的に拡大し、日中関係を次なる段階へ引き上げていこうということでも一致した。日中関係を発展させていきたい、と。

 全面的な中国迎合だ。

 こんな事はまもなく来日する李克強首相との首脳会談で話せばいいことだ。

 わざわざ習近平主席と話すほどの事ではなく、これでは李克強首相の面目を潰す事になる。

 しかし、李克強首相は、トランプ大統領や文在寅大統領が相手にする中国の本当の首脳ではない。

 だからといって習近平主席は訪日してくれない。

 日中韓首脳会談の前に、どうしても習近平主席と電話首脳会談して、トランプ、金正恩、文在寅らとの首脳会談の仲間入りする必要があったのだ。

 あまりにも見え透いた、日本国民向けのパフォーマンス外交だ。

 それにしても、安倍首相とは違って本物の外交に忙しい習近平主席が、よくもこんな意味のない電話会談に付き合ってくれたものだ。

 その代償が高くつくだろう。

 もはや安倍首相は習近平主席に頭が上がらないだろう。

 安倍首相を支持する中国嫌いの歯ぎしりが聞こえてくるようだ。

 それでも彼らは安倍首相を批判しない。

 彼らもまた安倍首相に忖度する腰砕け連中ばかりであるということである(了)

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