どうやら文在寅大統領は南北会談の成功のためにはあらゆる譲歩をするつもりだ。
いや、米朝首脳会談の成功のためだと言った方が正しい。
米朝首脳会談の成功のためにはまず、その前幕である南北首脳会談を成功させなければいけないからだ。
そして、そのためには、いまや唯一の障碍国となっている日本をなだめなければいけない。
文在寅大統領が安倍首相の注文をそのまま聞き入れ、拉致問題の解決を求める安倍首相の伝言を金正恩委員長に伝えると約束したのもそのためだ。
その約束を文在寅大統領は安倍首相との間だけの約束に留めたかったに違いない。
ところが、なにしろ安倍首相はその事を拉致被害者家族や世論に宣伝しなければ意味がないので発表した。
それを知っていたから文在寅大統領も韓国国民向けに発表しなければならなかったのだ。
韓国大統領府は4月24日、こう発表した。
「日本人拉致問題の解決は北東アジアの平和構築の助けになると金正恩委員長に言うつもりだ」と。
ところがこの発表に韓国メディアから批判が起きた。
その事をソウル発共同が教えてくれた。
韓国でも、北朝鮮に拉致され拘留されている犠牲者は516人いるという。
約5万8千人にのぼる離散家族再会事業の見通しも立っていない。
このような自国民の人権問題について、文大統領は南北首脳会談の成功のために言及を控える一方で、安倍首相に配慮して日本の拉致被害者に言及するとはなんだ、というわけだ。
日本人の拉致被害者救出は、日本と北朝鮮の間で解決する問題ではないかとうわけだ。
そして、その批判の矛先は当然日本の安倍首相に向かう。
韓国記者の一人は、日本人の拉致問題を今度の南北首脳会談で提起してくれと頼んだ安倍首相に対して、「無賃乗車」だ、と呼んだという。
思わず、その通りだと笑ってしまった(了)
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