きのうの日刊ゲンダイ(4月23日号)の書評欄で衝撃的な本が紹介されていた。
それは「創価学会秘史」(高橋篤史著 講談社)という本だ。
選者は佐高信氏であり、その書評を次のように書いている。
創価学会は反戦・平和の団体であるとされているがその「神話」をひっくり返すような本であると。
なにしろ創価学会の前身である創価教育学会は共産主義弾圧で転向し、心に深い傷を負った者たちを、特高警察と緊密に連絡を取りながら折伏していった過去があるというのだと。
初代会長の牧口常三郎は共産主義青年の一人にこう問いかけたというのだ。
「君はマルクス主義によって世の中が救えると考えているそうだね。私は法華経の修行者です。法華経によって世の中を救おうと思っています。法華経が勝つか、マルクス主義が勝つか、大いに議論しよう。もしマルクス主義が勝ったらわしは君の弟子になろう。もし法華経が勝ったら君は私の弟子になって、世の中につくしましょう」と。
特高と蜜月であった牧口はなぜ治安維持法違反・不敬罪で逮捕・獄死しなければならなかったのか。
それは国家神道ではなく日蓮正宗こそが唯一絶対に正い教えであることを強調するため、「天皇も凡夫だ」と言ったり、「伊勢神宮など拝む必要はない」と訴えたためだと。
牧口は反戦平和の理想を持っていたのではなく、「日本があげて日蓮正宗に帰依さえすれば戦局がたちまち好転する教えていたのではないか」と著者は喝破していると。
また創価教育学会には実業家が多く集まっていたと。
「損よりは得を、害よりは利を、悪よりは善を、醜よりは美を」と牧口は説いて、いわば現世利益主義宣言をしていると。
それを受けて実業家グループの一人で金融業に携わっていた者が「信仰は事業のバロメーターなり、信仰強盛ならば、即ち事業盛んなり」と発言していると。
佐高氏はその書評をこう締めくくっている。
「いま、自民党と手を結んで政治を腐敗させている芽は発足の頃からあったのである、まさに自民党に天罰を!公明党に仏罰を!である」と。
この本を読めば、同時にまた、公明党と共産党の天敵関係の芽は、創価学会の発足時からあったと納得できる(了)
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