週が明けたら安倍首相の訪米一色となる。
今度の訪米は極めて注目すべき訪米となる。
その成否が帰国後の安倍政権を左右するからだ。
うまく乗り切って疑惑追及を乗り切る事を安倍首相は画策しているに違いない。
報じられるそのシナリオはこうだ。
北朝鮮の非核化についてトランプに釘を刺した。
拉致問題解決に向けてトランプの協力を取りつけた。
輸入規制の対象から日本を除外するための日米協議開始を合意した。
そうメディアは官邸情報を垂れ流すだろう。
おまけにシリア問題が安倍外交の成果の一つとしてあげられるだろう。
トランプのシリア攻撃については、私の予想が見事に外れた。
もちろんトランプがシリアを攻撃する可能性はまだ残っている。
しかし48時間以内の攻撃はなくなった。
私は48時間とは言わず、今すぐにでも攻撃するだろうと見ていたから、その予言は見事に外れたのだ。
なぜ外れたか。
それはトランプがトランプらしくなくなったからだ。
前回のような電撃的で限定的な攻撃ではなく、アサド政権に対する攻撃を事前に予言してしまった以上、今度の攻撃はロシア軍との交戦につながる。
イランがシリア支援で応戦すればイスラエルが黙っていない。
それらが米英仏の決断を慎重にさせているのだ。
いまやトランプにとってシリア攻撃が最大の問題となった。
この突如として表面化したシリア問題を、安倍首相は逆手にとって訪米の成果につけ加えるだろう。
私だったらそうする。
つまりプーチンとパイプを持つ自分が調停役を果たしたと。
トランプのシリア攻撃を思いとどまらせたと。
こうして安倍首相とメディアは今度の訪米を成功だと言い募る。
もちろんそれらはみなウソだ。
実際のところ、米朝会談は日本抜きで合意が進み、拉致問題はあらたな進展はなく、米国の日本に対する貿易攻勢はおさまらない。シリア・イラン・イスラエル情勢は更なる混迷に陥る。
しかし、安倍首相にとって好都合にも、いずれも今すぐに白黒がつかない事ばかりだ。
いずれも時間のかかる交渉になる。
だから今は何を言ってウソにはならないのだ。
ウソがいますぐばれる事はない。
そもそもトランプは今度の安倍首相の訪米で、難しい話を安倍首相とする気ははじめから無い。
ゴルフに興じる息抜きとしか思っていない。
そしてそれは安倍首相にとって好都合なのだ。
三度目のゴルフ会談でさらなる二人の信頼関係が高まったとメディアに宣伝させればいいのだ。
かくして安倍訪米に「失敗」はなく、帰国後の政局を安倍首相は乗り切ろうとするだろう。
こう書いていくと、なんだか私が安倍首相に味方しているようだが、実はその逆だ。
私は安倍首相がメディアと結託して、そう事を運ぶに違いないと先手を打っているだけだ。
そして、いずれも、そうは問屋がおろさない。
それどころか、安倍首相はもはや外交に逃げ込む事すら出来ないほど国際的な影響力はなくなっている。
安倍首相が出来る事はウソをくり返すだけだ。
しかし、ウソは国内では通用しても外交では通用しない。
そしていまや国内でもウソを続けることが難しくなってきた。
訪米後の安倍政権に何があってもおかしくない。
ゴルフを楽しんで帰って来た安倍訪米後にこそ、安倍首相の正念場が来ると言いたいのである(了)
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