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北朝鮮に対する抗議をファックスで済ませる外務官僚の劣化

 官僚の仕事のお粗末さがここにきて一気に国民の目に明らかになって来たた。

 なにしろ「官僚組織の中の官僚組織」と言われて来た財務省がこの体たらくだ。

 二流官庁、三流官庁の防衛省や厚労省、そして文科省がお粗末なのは当然だ。

 その中でも、私の古巣である外務省はいまのところ矢面に立たされていない。

 しかし、もちろんそんなことはない。

 幸いにも今のところ、まだ内部告発などでリークされていないだけのことだ。

 そう思っていたら、きのう4月5日の日刊ゲンダイ(注目の人直撃インタビュー)で東京新聞の五味洋治論説委員がばらしてくれた。

 五味記者は、かつて北朝鮮の金正男とメールのやり取りをしたり、安倍首相の9条改憲が天皇陛下のお言葉を踏みにじるものであることを新書にして批判するなど、私がもっとも評価し、信頼するジャーナリストのひとりだ。
 
 その五味氏がこう語っている。

 北朝鮮問題で日本はすっかり置いてきぼりにされてしまったが、それは当然だと。

 なにしろ、いまやかつて機能していた在中国日本大使館と北朝鮮大使館のパイプは完全に切れて連絡がつかない状態であると。

 私に会う度に必ず「北朝鮮は(経済制裁で)困窮してませんか?」と聞いてくる。私が「そんなに影響はないんじゃないですか」と返すと、「そういう報告は逆効果になるので、困っているとか苦しんでいる情報はないですか?」と言う。安倍政権は聞きたい情報しか聞かないという事でしょう。だから取り残されるのです、と。

 そして五味氏は、私が何度も指摘して来た2015年のストックホルム合意のいかさまぶりについてこう証言している。

 「北朝鮮は報告書をまとめたんですが、それを受け取らない。内容を知っているのに、受け取らない。日本側が止めてしまったままでは日朝関係は動きません」と。

 極めつけは、北朝鮮に対する抗議について語っているところだ。

 北朝鮮がミサイルを発射するたびに、「日本政府は北朝鮮に対し北京の外交ルートを通じて厳重に抗議した」と報じられ、あたかも拳を振り上げて抗議したかのようですが、北朝鮮大使館にファックスを送っているだけなんです、と。

 ここまで外務省はお粗末なのだ。

 五味洋治論説委員が語っている事は冗談やウソではない。

 元外務官僚の私が保証する(了)

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