今度の金正恩の訪中と、そこで金正恩が習近平と話し合い、合意した事で一番重要な事は何か。
それは、金正恩がはじめて非核化という言葉を使い、それを習近平が認め、歓迎したところだ。
しかし、それはあくまでも「朝鮮半島の非核化」である。
その一方で米国の立場は、「完全かつ検証可能で不可逆的な北朝鮮の非核化」(国務省担当官)である(3月29日毎日新聞)
もちろん、100%米国の後をついて歩く日本もこの立場だ。
日本のメディアは、バカ正直な産経新聞をのぞいて、この違いをあえて明確に書こうとしないが、この違いこそ米朝首脳会談の最大のテーマとなる。
そしてこの二つは、トランプも金正恩も譲れない。
はたして米朝首脳会談は決裂し、トランプは北朝鮮を攻撃することになるのか。
そうはならない。
その逆だ。
どちらも満足のいく平和的解決になることがほぼ確実に4カ国の話し合いで進んでいるはずだ。
そのキーワードは「北朝鮮の体制保証」であり、それは言い換えれば「朝鮮戦争の終結」宣言である。
韓国と北朝鮮、米国と中国の4カ国は朝鮮戦争の当事国だ。
その4カ国がその気になれば休戦中の朝鮮戦争を終わらせる事ができる。
朝鮮戦争を終結して南北和平が実現すれば、北朝鮮の体制は保証される。
それは必ずしも南北統一まで行かなくてもいい。
異なった体制のまま共存できればいいのだ。
それが金正恩の言う体制の保証なのだ。
それが保証されれば、金正恩はその言葉通り北朝鮮の非核化に応じるだろう。
核を放棄する。
その一方で、もし4カ国が朝鮮戦争の終結に合意するなら、その時点で在韓米軍は不要になる。
トランプは在韓米軍の韓国からの撤退、すなわち北朝鮮と中国が合意した朝鮮半島の非核化に応じる事になる。
まさしく北朝鮮の非核化と朝鮮半島の非核化の二つが同時に達成されるのだ。
そして、これこそが4カ国が合意可能な事なのだ。
皆がウィンウィンの合意になる。
バカを見るのは日本だ。
在韓米軍は徹底しても在日米軍は居残る。
それどころかますます強化される。
そしてそれは北朝鮮や韓国、中国にとって異存はない。
なぜなら在日米軍は、日本を守るものではなく、日本の軍国主義化を抑えつけるものであり(いわゆるビンの蓋)、来るべき中東危機にそなえた米軍の強化だからだ。
北朝鮮も韓国も中国も、自らの脅威にならない米軍がいくら日本で強化されようと、痛くも痒くもないからだ。
ここでもまた日本が孤立するという事である(了)
Comment On Facebook