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欧米とロシアの深刻な対立に股裂きされた安倍外交の悲惨

 国会が森友文書改ざん問題で大騒ぎになっている間に、安倍外交がとんでもない危機に見舞われている。

 ここにきてロシアが北方領土問題で硬化している。

 3月14日の東京新聞に、サハリン州知事が色丹島に米企業によるディーゼル発電所建設が計画されている事を明らかにしたという記事が掲載されていた。

 これは、北方領土への第三国企業の進出は日本の主権を侵害するとして受け入れられない、と言って来た日本政府の見解を真っ向から否定するものだ。

 プーチン来日時の唯一の成果であった北方領土における日ロ共同経済活動合意にも、もちろん違反する。

 そう思っていたら、今朝、17日5時のNHKニュースが流した。

 ラブロフ外相が日本のメディアと会見し、北方領土共同経済活動についてロシアの法制度を適用すると。

 これもまた完全な約束違反だ。

 そしてラブロフ外相は、日本が米国の地上配備型迎撃システムを導入した事が北方領土問題解決の障害になっている事を改めて強調することを忘れなかった。

 この、いわば「ダレスの恫喝」のロシア版である「日米同盟があるかぎり北方領土は返還出来ない」という脅しは、既にプーチンが来日したときにプーチンの口から発せられたものだ。

 だから北方領土問題を棚上げして、共同経済活動などという訳の分からない合意でごまかしたが、ついにラブロフは、その唯一の成果でさえも否定したのだ。

 これであの時のプーチン来日の成果は完全に無に帰してしまった。

 なぜ、ここにきて、これほどまでにロシアは日本に硬化してきたのか。

 プーチンが大統領選を直前に控えているということもあるだろう。

 しかし、何といってもクリミア併合以来の欧米(NATO)とロシアの軍事的対立がある。

 その対立は、サイバー攻撃、核攻撃を巡って更に深刻になり、ついに元スパイの毒殺事件によって、英国・ロシアの関係が最悪になり、すかさず米国はじめNATO主要国が英国側に立った。

 普通なら日本は欧米、NATO側に立つところだ。

 しかし、プーチン大統領との緊密な関係を売り物に北方領土返還を自分の手で成し遂げると言い続けて来た安倍首相は、プーチンを怒らせるわけにはいかない。

 その弱みをついてプーチンは安倍首相に踏み絵を迫っているのだ。

 文字通り股裂きだ。

 それもこれも、安倍外交にまともな戦略がないからだ。

 安倍首相に忖度し続けるしかない谷内正太郎NSC事務局長や外務官僚たちが、保身のために外交を放棄してしまったからだ。

 少なくとも外交においては、安倍首相はこれまで築き上げてきたものをすべてをぶち壊してしまった。

 その事だけでも内閣総辞職ものである(了)

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