文在寅韓国大統領が南北首脳会談実現に向けて北朝鮮に特使団10名を派遣した。
その特使団の中の代表格は鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長と、徐薫(ソ・フン)国家情報院長の二人の側近だ。
文在寅大統領はこの二人の側近について、鄭義溶氏を対米に、徐薫氏を対北に役割分担させていると報じられている。
しかし今度の訪朝特使団の団長が鄭義溶氏だったことは、彼が文在寅大統領の親書を手渡したことや金正恩主催の歓迎晩餐の席次を見れば明らかだ。
だから鄭義溶団長は真っ先に米国に行ってトランプへ報告している。
そしてその後に中国に赴いて習近平に報告したのも理解できる。
中国は北朝鮮問題では米国と並ぶ最重要国だからだ。
しかし、鄭団長はその後、日本に報告に来ることなくロシアに行った。
日本には代りに徐薫氏が来て安倍首相、河野外相に報告している。
なぜ日本に団長が来なかったのか。
一人で同時に中国と日本には来ることが出来ないから、鄭義溶代表が中国に報告に行っている間に徐薫氏が来たということだろう。
金正恩との話し合いの内容は特使団が共有しているから、報告は鄭義溶団長でも徐薫氏代表代理でも同じだと言ってしまえばそれまでだ。
しかし、団長が来て報告するのとしないのではその意味は違う。
日本は米朝対話については主要プレーヤーではない。
どうせ米国と同じ様に北朝鮮の非核化しか言わない。
そして日本はどうせ拉致問題を持ち出してくる。
だから団長を派遣しなくても、北朝鮮担当の徐薫氏で十分だ。
そう文在寅大統領が考えてもおかしくはない。
しかしそうなら安倍首相は怒り心頭だろう。
産経新聞あたりは、けしからんと報じてもおかしくないのに産経新聞さえも書かない。
もはや日本は南北融和と米朝首脳会談という歴史的外交に関し、出番はないと産経新聞ですらあきらめたに違いない。
そう思いたくなる安倍首相と産経新聞の沈黙である(了)
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