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国会で徹底追及さるべき秋葉外務事務次官の発言の真偽

 森友疑惑がヤマ場に差し掛かっているから仕方がないが、国会を今すぐ開いて追及しなければいけない重大な問題は森友疑惑の他にもある。

 これから書くこともそのひとつだ。

 きのう3月7日の一部の新聞が一段の小さな記事で報じていた。

 河野外相が記者会見で、日本は非核三原則を堅持しており、秋葉外務事務次官がそれに反する発言をした事はないと語ったと。

 これだけでは何の事かわからない。

 そう思って見逃すところであったが、同じ7日付の東京新聞が大きく報道した。

 その記事を読んで事の重大さに気づいた。

 秋葉発言の背景はこうだ。

 すなわち、米連邦議会は、オバマ政権の「核体制の見直し(NPR)」策定に向け、ペリー前国防長官を議長とする戦略態勢委員会を設置し、2009年2月に在米日本大使館関係者から意見聴取を実施したという。

 その時、副議長のシュレジンジャー前国務長官が、「沖縄かグアムへの核貯蔵施設建設をどう考えるか」と質したのに対し、当時在米日本大使館公使の秋葉剛男氏は、「そうした提案は説得力があるように思う」と答えたという。

 沖縄への核貯蔵施設建設を容認するかの如きこの発言だけでも更迭ものだが、秋葉発言の衝撃はそれだけではない。

 秋葉氏はその会合で、核兵器増強の必要性を訴え、米国の戦略核の削減が日本の安全保障に悪影響を及ぼす可能性に言及した上で、低爆発力の小型核弾頭を導入する意義に触れ、米側をびっくりさせたというのだ。

 これは、それから8年たって、日本が米国の核の傘を重視して核兵器廃止条約に反対し、いまやトランプが自らの「核体制の見直し」で小型核爆弾を実戦に使うと宣言した事を思えば、それらを先導したかのような極めて深刻な発言だ。

 つまり外務官僚が率先して非核三原則を破り、米国の核戦略に加担していたといいうことだ。

 2009年2月と言えば野田民主党政権下だ。

 野田民主党政権がこの秋葉発言を知っていたとしたら、安倍自民党政権と同じだということだ。

 知らなかったとしたら、あの藪中事務次官が、オバマ政権に、オバマ大統領の広島訪問は時期尚早だと言ったり、民主党政権を相手にするなと言ったことがウィキリークスですっぱ抜かれたと同じように、外務官僚が時の政権を無視して越権発言をしていたということだ。

 この秋葉発言の真偽は国会で徹底追及されなければいけない。

 発言が事実なら、就任早々の秋葉外務事務次官は更迭されなければいけない。

 本人がそう言っているからそんな発言はしていない、などというふざけた河野外務大臣の記者会見ひとつで、この問題を終らせるには、あまりにも重大な発言である(了)

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