中東から遠い日本では、政治家もメディアも国民も、今シリアで起きている事がどれほど悲惨で絶望的か、関心がなさそうだ。
しかし、シリアで起きている事は地獄絵図そのものなのだ。
きょう3月1日の毎日新聞が「『地上の地獄』に終止符を」という見出しの社説を掲げている。
新聞の国際政治面で「地獄」という言葉を目にしたのは、私の記憶にはない。
そして、その言葉は、毎日新聞の言葉ではない。
グテレス国連事務総長が使った言葉だという。
それを私は毎日新聞の社説で知った。
それほど目をそむけたくなるような事態がシリアで起きているのだ。
世界平和の実現を担う国連が機能不全になって久しいが、それでも国連は唯一の世界平和を担う国際機関だ。
そのトップであるグテレス事務局長の無力感が言わしめた言葉だ。
グテレス事務総長の心中は察して余りある。
その地獄をもたらしたのはアサドだ。
アサドをさんざん利用しながら、用済みとなったら排除しようとした米国だ。
そして、アサドを一挙に排除できなかったオバマの優柔不断さだ。
優柔不断なオバマから中東の支配権を取り戻そうと、アサドを守り続けたプーチンだ。
イスラエルの首都移転以外に中東に無関心、無知なトランプだ。
何よりも、シリアの地獄を前にして無力な国際社会だ。
そのような国際社会を立ち上がらせる国は憲法9条を持つ日本しかないのに、日本の首相は憲法9条を捨てる事しか念頭にない。
それどころか、トランプの北朝鮮攻撃を煽っている。
せめて国会で、シリア和平実現を要請する緊急決議を採択してもよさそうなものなのに、シリアという言葉を発する国会議員は一人もいない。
シリアの国民は、誰に救いを求めたらいいのだろう(了)
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