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「遠のいた中東和平」と「あらたな和平プロセス」

 トランプ大統領のエルサレム首都移転宣言で中東和平は遠のいたと言われている。

 中東情勢を知らない日本ではそれが当たり前のように受け止められているに違いない。

 そしてかつての「和平プロセス」ならそうだ。

 しかし、現実は必ずしもそうではない。

 その理由は、アラブの盟主であるサウジアラビアが裏で米国・イスラエルとあらたな和平プロセスを進めているからだ。

 実際のところ、今度のトランプ大統領のエルサレム首都移転についても、事実上のサウジアラビアの国王と言われているムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、それを、あらたな中東和平案の中で進言していたと言われているほどだ。

 この事をきょう12月23日の朝日新聞が教えてくれている。

 すなわち、トランプ大統領がエルサレム首都移転を宣言した直後の12月9日のニューヨークタイムズ紙で、コラムニストのロジャー・コーエン氏がこう書いていたという。

 イスラム組織ハマスのリーダーであるハニヤ氏はいま第三次インティファーダを呼びかけている。だが彼はアラブ諸国の疲弊と冷笑、優先順位の変化に直面している。いまやスンニ派(が多数)のアラブ諸国にとって、パレスチナの大義より(宗派的な敵であるシーア派の)イランの存在のほうがはるかに大きく立ちはだかるようになってしまったと。

 つまり、コーエン氏の言葉を借りれば、「トランプ大統領の宣言は和平プロセスを破壊しなかった。なぜなら、破壊する和平プロセスはもはや存在しなくなったのだから壊しようがない」、というわけだ。

 せめてもの救いは、サウジと米国・イスラエルのあらたな和平プロセスでもうまく行かないとコーエン氏が書いている事である。

 公正で持続的な和平がパレスチナとイスラエルの間で実現しない限り、世界に真の平和は来ない。

 トランプの米国が北朝鮮に関わる余裕などあるはずがない(了)

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