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日本に踏み絵を迫ったエジプトのエルサレム首都撤回決議案

 ニューヨーク発時事が教えてくれた。

 国連安保理で16日、エルサレムの地位を一方的に変更する決定や行動は無効であるとして、エジプト作成の決議案が提出されたというのだ。

 しかも18日にも採決されるという。

 これは日本にとって衝撃的な動きだ。

 日本は12月いっぱいは安保理メンバーだ。

 この決議案に対する賛否を明らかにしなければいけない。

 米国が拒否権を発動することは明らかだ。

 しかし、米国以外の主要国はすべてトランプ大統領の決定に反対の立場を表明している。

 立場を明らかにしていないのは日本だけだ。

 どうしても日本の賛否に世界の注目が向かう。

 もし日本が米国に同調して賛成したら、対米従属の極みとして世界の笑いものになる。

 もし日本が反対したら、米国だけが反対することになり、米国は世界から孤立し、トランプ外交はますます追い込まれる。

 だから日本は棄権するのだろう。

 しかし、たとえ棄権しても、日本は世界から批判され、今度こそ日本はテロの標的になる。

 それにしても、日本は12月いっぱいまで国連安保理の議長国のはずだ。

 なぜみずからを苦しめることになるこのような決議案をエジプトが提出することを防ぎ止められなかったのだろう。

 こんな決議案が提出される前に、議長国として事前に関係国と協議して、うまく処理することは可能だったはずだ。

 日本は議長国としての権限すら、うまく使えなかったということだ。

 それとも提出を阻止しようとしたがうまく行かなかったとでもいうのだろうか・

 どっちにころんでも、安倍中東外交の無能さ、ここに極まれりである(了)

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  1. 1か月前、エジプト・シナイ半島で起きたモスク襲撃テロは300人を超える犠牲者を出した。少なくとも305人が死亡。この中には子供約30人も含まれていた。襲撃犯らはISの黒旗を掲げていたという目撃談もあり、犯行声明が出ていないものの、IS分派「シナイ州」のテロであることが濃厚だ。シリアとイラクのIS本家が消滅する一方、今回のテロ事件は「世界各地のIS分派の復讐が始まった」ことを暗示している。 
     
    今回、標的となった村には、イスラム教スンニ派のスーフィズム(神秘主義)の信者が多く住む。犯行組織と見られる「シナイ州」の元の組織はシナイ半島を根城にするエルサレムの信奉者。3年前にISに忠誠を誓い、「シナイ州」となった。以来、同組織はキリスト教の一派や警察、治安部隊の拠点などに対するテロや襲撃を繰り返してきた。勢力は約1000人といわれる。2014年以降、「シナイ州」など過激組織との戦闘で死亡した治安部隊や警察の犠牲者は1000人以上で、2017年だけで200人を超えている。エジプトでは「シナイ州」など過激派による襲撃事件が今年初めの3ヶ月で130件も発生している。

     「シナイ州」の悪名が知れ渡ったのは2015年のロシア旅客機爆破テロ。シナイ半島突端から飛び立った旅客機に爆弾を仕掛け、乗員乗客224人を殺害した。「シナイ州」はスーフィズムを“疫病”として憎悪をむき出しにしていた。

     この「シナイ州」の跳梁跋扈に対し、事実上の軍事政権であるシシ政権は厳しい弾圧政策を取ってきた。このため実際には過激派とは関係のない住民が軍によって即席処刑されたりすることも希ではない。こうした苛烈な軍のやり方に反発して過激派に協力するベドウィン住民も多く、これが過激派壊滅を困難にしている。また過激派が勢力を拡大する理由としては、エジプト政府が過去、シナイ半島北部の開発を顧みず、いわば切り捨ててきたという側面がある。元来遊牧民であるベドウィンは中央政府から差別的扱いを受けてきた。ベドウィンの政府に対する不満は「シナイ州」を育む土壌となった。

     こうした状況を放置したエジプト政府の責任は重大であり、失政だ。

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