朝日新聞の駒木明義モスクワ支局長が、8月21日の紙面で、「日ロ交渉厳しい現実」と題して書いていた。
安倍首相は9月、ウラジオストックを訪問してプーチン大統領と今年3度目の首脳会談に臨む予定であるが、日本が望むような北方領土問題の解決は困難だと。
ロシアから見れば、米国の強固な同盟国である日本に領土を引き渡すことは、アジア太平洋地域での米国の影響力強化を助けるようなものだからだ、と。
駒木支局長に指摘されるまでもなく、昨年12月の日ロ首脳会談に際して、プーチン大統領みずから安倍首相に引導を渡した。
北方領土を返して欲しければ日米軍事協力関係を見直せと。
この時点で、もはや北方領土問題と日米軍事同盟強化は両立しなくなったのだ。
それにもかかわらず、安倍首相はますます日米軍事同盟関係最優先を鮮明にしてきた。
その行き着く先が、安倍首相の北朝鮮有事に備えたミサイル防衛強化策の数々だ。
ついに陸上イージスの導入まで来年度予算で導入する事にした。
たまりかねてロシアが陸上イージスの導入に待ったをかけた。
きょう8月25日の毎日新聞がモスクワ発杉尾直哉支局長の記事で教えてくれた。
すなわち、ロシア外務省のザハロワ情報局長はきのう8月24日の定例記者会見で次のように語ったというのだ。
「(陸上イージスについて)配備されれば、極東地域への真のミサイル脅威となる」と。
おりから韓国は高高度ミサイルシステム導入を決定したために中国政府から徹底的に報復されている。
ことほど左様に、安全保障政策は二国間関係に直結する重大な政策であるということだ。
北方領土問題と日米軍事同盟強化の二つを同時に実現しようとする安倍外交は支離滅裂だ。
日本国民を馬鹿にした欺瞞外交に他ならない(了)
どうせ、ロシアンルートで、不正選挙当選したトランプのことですから、プーチンとホットラインの遣り取りを抜かり無くしてる筈です。米露に今後益々、遊ばれ続け、何の指導力もイニシアティブも採れない日本の政治家や外交官が、此の国を窮地に追いやる事でしょう。
ロシアのメドベージェフ首相は、23日南クリル諸島を優先的社会経済発展地区にする文書に署名しました。日本は、先手を打たれたのです。慌てて、公明党の山口代表が、9月12日から18日までロシアを訪問し、安部政権の日露関係を重視する外交を後押ししたい考えで政府の要人らと会談します。
日本の政治家は、まったく外交オンチです。
ロシアが求めているのは、新党憲法9条が掲げている日本のあり様であれば、対等に交渉ごとができると提案していると思えるのです。
天木さんの仰る通りで、北方領土問題と日米安保条約はセットになっている。北方領土は旧ソ連が、日米安保で沖縄嘉手納は米軍がそれぞれ居座り、日本列島の南北で米ソが睨み合う。これが、戦後、日本における米ソ冷戦構造でしょう。だから、日本における冷戦構造は、未だにもって解消されていないのですよ。朝鮮半島と同様なんですね。南北でイデオロギー対立が継続中。但し、日本では北の旧ソ連軍はロシア軍となってるわけですが、米軍との睨み合い関係においては、何も変わりないでしょう。従って、沖縄嘉手納を中心とする米軍が居座ることを許容する日米安保条約が存在する以上、北方領土返還なんてあり得ない話です。片方の米軍を居座らせ続けて、片方の北方領土返還で旧ソ連軍よサヨウナラなんて、そんな虫のいい事考えてるのは、安倍晋ちゃん位でしょうかね。北方領土返還即ち旧ソ連軍よサヨウナラを実現するのなら、沖縄嘉手納基地を初めとする、駐留米軍サヨウナラの実現させなくちゃならない。そんなの当たり前でしょ。誰が見たって、簡単な事でしょ。だから、自民党初代総裁鳩山一郎の日ソ共同宣言以降、二島返還論等の苦肉の策が提示されても、根本的な解決には至れないのだ。要するに、北方領土問題打開の為にも、日米同盟破棄による日米安全保障条約の即時撤廃は必須なのである。