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メディアが隠すバノン解任の本当の理由

 きょう8月20日の大手各紙はバノン解任のニュースを一斉に大きく取り上げている。

 それもそのはずだ。

 バノンはトランプ誕生の立役者であり、最側近の首席戦略官兼上級顧問だったからだ。

 そのバノンさえも解任せざるを得ないほど、トランプ大統領は迷走しているということだ。

 これは大きなニュースである。

 メディアは、この解任は、バノンの極右的な政策に、現実主義を重視する財界や軍が反発したからだと書いている。

 そしてバージニアで起きた白人至上主義を擁護するかの如き発言をして非難され、追い込まれたトランプが、ネオナチと見られているバノンを切ることによって逃げ切ろうとしていると書いている。

 しかし、メディアが大きく書かないもうひとつの解任の理由がある。

 それはバノンがトランプの北朝鮮政策に強く反対した事だ。

 この事を、他紙に先駆けて真っ先に大きく報じたのが、なぜか、きのう8月19日の産経新聞だけだった。

 そこにはこう書かれている。

 つまり、バノンは16日に公表された米左派雑誌「アメリカン・プロスペクト」(電子版)とのインタビューで、次のように述べて、北朝鮮に軍事力を行使する選択肢を一蹴したと。

 「(開戦から)最初の30分でソウルにいる約1千万人が死亡するという難題を一部でも解決しない限り(軍事的選択など)お話しにならない」

 どうやらこの発言が、軍人や財界出身の政府内から反発を受け、トランプもまた怒ったということらしい。

 そのことをきょうの各紙は小さく報じている。

 しかし、メディアは、今度のバノン更迭の記事で、バノンが極右で人種差別主義者の悪者である事の方を大きく書き立て、政府内でバノンがひとり北朝鮮政策で楯突いている事は一切触れない。

 本当は、北朝鮮への軍事攻撃はあり得ない、馬鹿げている、と主張し、それが原因で更迭されたと言う事こそ、メディアはもっと大きく報じるべきではないのか。

 バノンは確かに危険人物だろう。

 しかし、バノンより、もっとたちの悪いのは、トランプを取り囲む、軍産複合体である元軍人と財界という「現実派」ではないのか。

 バノンなき後に、バノンに代わってトランプを動かすケリー元海兵隊将官の方が、バノンよりはるかに危険ではないのか。

 そのことを指摘する大手新聞は皆無である(了)

 

コメント & トラックバック

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  1. レバノンならぬバノンも、とうとう袂を分かったか。ジョーカー・トランプの、窮状極まれりっていうところでしょうか。それにしても、就任後間もないのに、こんなにも次から次と、辞任・解雇が、陣営の取り巻き連中から続々出て来るようでは、お先真っ暗だが、米帝ならではの光景カモ。なんて、呑気な事、言ってるような場合じゃありませんが、トランプファミリーの恣意的政権私物化が、こうも露骨になされるなんて、当の米国民はどんな国民感情を持ってるんだろうか。特に娘のイバンカは、バカトランプの悪餓鬼イメージを和らげる緩衝役として、上手く利用されてる。娘婿の重用も、日本だったら大バッシングで、有り得ない事。有り得ない事を、普通にやる国が、正しく米国ってところだろうが、矢張り狂ってる。全てが「トランプ化」している世界。トランプ現象は、精神分裂現象である。こうした、精神分裂化する世界の中の日本と解釈すれば、国内外で繰り広げられてる奇異な様々な現象も、それなりに観て行けるって事だろうか。トランプ暗殺も秒読みか。そんな下らぬ事より、天木さんの次期衆院選での票読みの方が重要です。

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