安倍首相はここまで外務官僚を屈服させているか。
外務官僚は安倍首相にここまで絶対服従しているのか。
そう思わせる前代未聞の長嶺駐韓大使の言葉である。
きのう5月4日、長嶺駐韓国日本大使が、ついに韓国の黄教安大統領代行と会談し、慰安婦問題をめぐる日韓合意について意見交換したという。
おりから韓国は大統領選が終盤を迎え、どの候補も慰安婦問題についての日韓合意に否定的だ。
そんな中で、もはや何の影響力もない韓国大統領代行に会ってみたところで意味のない事は明らかだ。
しかし、ここで書きたいのはその事ではない。
長嶺大使は会談後の記者会見で何と語ったか。
「安倍首相の気持ちをしっかり伝えた」と述べたのだ。
この言葉がすべてを物語っている。
おそらく長嶺大使は安倍首相から厳命を受けて帰任したに違いない。
慰安婦像の撤回を厳しく迫れと。
そして韓国大統領代行になかなか会う事の出来ない事について、安倍首相から、何をぼやぼやしているんだと、その能力を疑われ、長嶺大使はその事で頭がいっぱいだったに違いない。
だから、やっと大統領代行との会談が実現し、あの時の安倍首相の命令を伝える事が出来た事に安堵したのだ。
そのあらわれが、記者会見で真っ先に口に出た「安倍首相の気落ちを伝えた」という言葉である。
しかし、この言葉こそ、特命全権大使が口にすることはあり得ない言葉だ。
特命全権大使とは、天皇陛下の信任状を帯びて、日本政府のすべての権限を委譲された日本の代表者である。
だから長嶺大使が伝えるべきは、「安倍首相の気持ち」ではなく、「日本政府の立場」なのだ。
もはや外務官僚は完全に安倍首相に支配され、外務官僚は安倍首相に全面服従しているということだ。
外務省組織の崩壊だ。
なぜこんな事になってしまったのか。
それは外務次官OBの谷内正太郎が安倍首相の腰ぎんちゃくとなって、後輩の外務官僚を安倍首相に従属させているからだ。
安倍外交で日本外交がうまく行けば文句はない。
しかし、いまの日本外交は過去の蓄積をすべて失うほど行く詰まり、出口が見えない。
万死に値する安倍・谷内コンビの外交の私物化であり、その失策の成れの果てである(了)
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