憲法施行70年を振り返るきょう5月3日の各紙の特集記事の中で、毎日新聞は、わざわざ昨年8月8日の天皇陛下のおことばの核心に言及していました。
すなわち、昭和天皇は戦前の現人神から戦後の象徴天皇に一変するという、一人で二つの天皇を演じたから、昭和天皇の時代は、どうしても象徴天皇制は戦前を否定する側面に重点が置かれ、象徴天皇制の積極的な意味は見えにくかった、だから象徴天皇制に新しい内実を込めたのは、やはり現在の天皇陛下の力が大きい、と述べた上で、次のように書いています。
「・・・(今上天皇)陛下の憲法を尊重すると言う立場は国民と離れて天皇制は存在できないという現実に裏打ちされている。それはそのまま憲法の核心にある国民主権の考え方と結びつく。象徴天皇制は、憲法1条の『日本国民の総意に基づく』という規定に文字通り支えられており、そのことを日々試されているというのが(今上)陛下の信念だ。被災地訪問などの公務に精励されるのはそのためだ・・・」
こう書いた後で、毎日新聞のその記事はこう締めくくっています。
「・・・退位の意向がにじむおことばを表明されたのも、高齢などの事情により、その試練に応えるという使命を果たすことができなくなれば、天皇としての立場にいることはできないという考え方からだった」
まさしくここに天皇陛下の訴えの真意があるのです。
そして、毎日新聞のこの記事は「被災地訪問などの公務」としか書いていませんが、間違いなく平和を願う旅も象徴天皇の使命であるはずです。
憲法9条を守るという公務が果たせないなら天皇としての立場にいることはできない。
しかし、天皇もまた人間であり、いつかは後の天皇に引き継がざるを得ない。
その天皇もまた、日本国憲法下の天皇である限り、自分がそう確信し、実行した象徴天皇制の公務を引き継がねばならない。
これこそが、あのおことばの核心なのです。
国民と安倍首相に向けられたおことばの核心なのです。
新党憲法9条はそのおことばに正面から応える政党です。
なんとしてでも今上天皇の在位のうちに誕生させなければいけません(了)
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