きのうの直近のメルマガで私は書いた。
米国の記者から日本は米国と中国のどっちを選ぶかと聞かれ、安倍首相は米国を選ぶとあっさり答えてしまったと。
しかも米国は日本の唯一の同盟国であると尾ひれをつけて答えたのだ。
この答えが外交的にいかに間違っているかを証明する記事をきょう6月30日の産経新聞に見つけた。
平田雄介記者が「日々是世界」というコラムで書いている。
ポンペオ米国務長官が6月19日、欧州諸国を相手に中国批判をし、欧州諸国に中国経済からの自立を促し、米国に味方するよう求めた外交演説をしたという。
ところが、その演説から3日後に、フォンデアライエン欧州委員長は中国との首脳会談で、中国に対して香港国家安全維持法導入について再考を促す一方で、中国市場を重視し、米国と一線を画し、「中国は最も挑戦的な国の一つであると同時に最も戦略的に重要な国の一つ」と話したという。
つまり、「米国か、中国かを選択させないでほしい」とポンペオ国務長官に言い返しているのだ。
そしてこれは東南アジアの国々もそうだと書いて、平田記者は、シンガポールのリー・シェンロン首相が昨年5月のシャングリラ会議(アジア安全保障会議)で、東南アジアを二分するような選択に反対して、米国をけん制したことを教えてくれている。
極めつけは平田記者が書いている次の言葉だ。
「・・・今、米国を選べるのは、機密情報を共有する英語圏の枠組み『ファイブアイズ(五つの眼)』を米国と構成する英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドくらいかもしれない、・・・」と。
産経新聞の記者からここまで書かれてしまっているのだ。
つくづく安倍首相には失望させられる。
ここまでの長期政権を担ってきて、いまでも与党にも野党にも競争相手がいない恵まれた状況の中で、言いたい放題、やりたい放題できるのに、なぜもう少しまともな対応ができないのか。
5月25日の記者会見で、「米国か中国か、どっちを選ぶ」と聞いて来た米国の記者に対し、それは愚問だと一蹴できなかったのだろうか。
記者を怒らせるのがまずいとしたら、そんなむつかしい質問、私に答えられるはずがないと冗談でごまかせなかったのか。
あるいは欧州委員長のように、私に選択させないでほしいとかわせなかったのか。
どう考えても、「米国しか選択肢がない」と答えるのは間違いであり、愚かである(了)
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