週刊文春が黒川マージャン賭博をすっぱ抜いた記事は衝撃的だったが、私がその記事を読んで驚いたのは、週刊文春がその記事の中で、その情報源が産経記者からだったことをわざわざ明らかにした。
私はこれを見た時驚いたものだ。
もちろん、その産経新聞の記者は、黒川氏と一緒にマージャンをしていた二人の産経の記者とはまったく別の記者だ。
産経は読売と並んで安倍擁護だ。
その産経の記者が、安倍首相に打撃を与える情報を文春に垂れ込むだろうか。
ひょっとして、これは黒川氏を辞任に追い込むやらせではないのか。
当時、私はそう勘ぐったものだ。
なぜなら、当時の報道の中で、安倍首相は黒川氏のことをあまり知らない、黒川人事を強く推したのはむしろ菅官房長官だったというのがあった。
だから、黒川氏の定年延長で批判される事に嫌気を刺した安倍首相が、意図的に産経を使って黒川氏を追い落としたのだ。
コロナで自粛中に賭けマージャンだから二重の意味で許されない。
黒川辞任はこれしかない。
そう思ったのだ。
そうでなければ、垂れ込んだ産経の記者は、産経を裏切って安倍降ろしに走ったのだ。
もしそうなら産経は窮地に立たされる。
官邸から潰されるほどの怒りを買う。
産経は何としてでも裏切者を見つけてさらし者にしなければいけない。
どっちにころんでも凄い事が起きたものだ。
そのうちどこかが、黒川マージャン賭博のリーク元を調査報道するだろう。
そう思って私は眺めて来たが、ついにそのメディアがあらわれた。
やはり裏切者による垂れ込みだったのだ。
購読している月刊FACTA7月号がきのう届いた。
そのトップ記事が、黒川マージャン賭博のリークは、産経の飯塚社長の狙撃を狙った内部のテロだった、という記事だ。
その記事の詳細をここで紹介する余裕はないが、ひと事でいえば、飯塚社長のリストラに恨みを持った記者がタレコミ、産経を潰そうとしたというのだ。
4ページにわたるその記事は、すべてが実名入りで産経新聞の人事抗争をなまなましく書いている。
まるでドラマを見ているようだ。
人事の恨みはおそろしい。
その結果、どんな騒ぎになろうが、告発した者にとって「知ったことか」である。
とばっちりを受けたのは安倍首相だったわけだ。
もっとも、黒川人事問題の原因を作ったのは安倍首相の権力私物化だから、自業自得に変わりはない。
私怨から週刊文春に垂れ込んだ産経の記者は、よくやったということである(了)
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