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コロナ危機に隠れてどんどん進む日本の対米従属

 コロナばかりが報道されて来た三か月だったが、私の関心は一貫して日本外交の劣化だ。

 その中でも対米関係の隷従化だ。

 コロナ危機で見せたトランプの米国は、戦後のどの政権よりひどいものだ。

 WHOに対するトランプの言動はもはや常軌を逸している。

 そんな米国だから、いまこそ、日本は米国から自立する絶好のチャンスであるのに、その逆に、日本は戦後の日米関係の中でも、かつてないほど従属化している。

 というよりも、日本の方から隷従化して行っている。

 その象徴的な記事を5月14日の産経が一面でスクープ報道した。

 すなわち、その産経の記事はこう書いていた。

 8月にハワイで行われる米軍主催のリムパック(環太平洋合同演習)が、日本政府の強い働きかけで実現する事がわかったと。

 米側がコロナの影響で中止するという方針を伝えてきたところ、なんと日本側は「こんな時だからこそ、どんな形でもやるべきだ」と説得したというのだ。

 こんな時とは中国が増長している時だという意味だ。

 この記事を読んだ時、4月30日の朝日の記事を思い出した。

 この朝日の記事はかつての朝日のスクープ記事の再現だ。

 つまりその朝日の記事はこう繰り返していた。

 オバマ政権が就任した直後の2009年2月に、日本政府は米国議会の非公開の諮問委員会に呼ばれ、米国の核政策について意見を求められたことがあった。

 その時、出席した当時の秋葉剛男駐米公使が、なんと日本の方から、戦略核弾頭の削減は日本の安全保障に悪影響を与えるといって、削減に反対していたというのだ。

 米NGOの「憂慮する科学者同盟」の非公開の報告書で明らかになったという。

 その秋葉氏はいまや外務次官となって安倍対米従属外交を支えている。

 そして対米従属の記事はこの二つだけではない。

 ここ3カ月に報じられた記事は、辺野古工事の強行、オスプレイ全国展開の常態化、地上イージスの秋田、山口への配備、馬毛島の米軍滑走路建設、羽田空港の新ルート、などなどである。

 そのいずれもが日本国民を犠牲にして米軍の要請に従うものばかりだ。

 そして間もなく在日米軍経費増が表面化して来る。

 問題は、メディアも野党も、対米従属化に本気で反対する気配が感じられないところである。

 それどころか、WHO問題についても米中対立の一言で片づけて、誰もトランプの言動を批判しない。

 これではポスト安倍が誰になっても変わらない。

 政権交代が起きても変わらない。

 日本の政治が絶望的なのは、このまま日米同盟が最優先して続いていく事である(了)

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