きのうのメルマガで予想した通りになった。
つまり、安倍首相は、世論の不満に危機感を抱いた公明党の山口代表の覚悟の直訴を飲むほかはなかったのだ。
しかも私の予想を超えて即断した。
これには驚いた。
安倍首相も世論の批判をよほど気にしているということだ。
しかし、これも私の予想通り、今度の独断で安倍首相は自民党内の指導力を急速に失っていくだろう。
安倍一強のこれまででは、およそ考えられなかった、自民党内の安倍降ろしが動き出す。
いまはまだ水面下にとどまるが、間違いなくその動きは広がっていく。
なにしろ、公明党の要求を飲んだのだ。
しかも、一旦編成した補正予算の組み替えという異例の要求を飲んだのだ。
身内の自民党の声よりも、連立相手の公明党の意向に従ったのだ。
しかもである。
安倍首相を支えて来た麻生財務大臣の反対を押し切って決めた節がある。
菅官房長官が安倍首相を見限り始めているとささやかれる中で、いまや唯一の支援者とも言える麻生大臣よりも、公明党の山口代表に従ったのだ。
あの麻生大臣の事だ。
もし麻生大臣がブチ切れて安倍首相から離れるようになれば、財務官僚も離れる。
森友疑惑で財務官僚は組織を挙げて安倍首相を守った事になっているが、そうではない。
麻生財務大臣が安倍首相を守ったから財務官僚はそれに従ったのだ。
財務官僚が従ったのは安倍首相ではなく、財務省を最後まで守ってくれた麻生大臣に従ったのだ。
今度の10万円支給の独断で、安倍首相は麻生大臣と麻生大臣に従う財務官僚を公明党の山口代表より下においた。
麻生大臣と財務官僚が安倍首相を見限る事になっても不思議ではない。
それを占うのが10万円支給の時期だ。
予算の組み替えは財務官僚の協力なしでは無理だ。
そして、その作業は膨大だ。
安倍首相の政治力が圧倒的であったら、前例をすべて捨てて、すっぐにでも支給しろと命令できるはずだ。
しかし、財務省の抵抗に押されて譲歩せざるを得ないなら、下手をすれば現金支給は連休明けにずれ込む。
そうなれば、ありがたみはなくなり、国民の不満は高まる。
私が注目したのは、1世帯30万円の支給と合わせて一律10万円を給付するのかと思っていたら、そうではなく、1世帯30万円を止めて、その代りに一人10万円支給だと、安倍首相が明言したことだ。
これは財源不足を懸念する麻生財務相と財務官僚に譲歩したためだ。
ここが安倍首相の弱いところだ。
麻生大臣を抑えつけられないのだ。
1世帯30万円に上乗せして、1世帯30万円の支給の前に一人10万円を支給してはじめて、国民の喝さいを受ける事になる。
これでは駄目だ。
しかも、その10万円の給付も、30万円の時と同じように、5月中旬までずれ込むようでは、ありがたみもなにもなくなる。
さらなる国民の安倍離れが起きる。
一律10万円支給のタイミングから目が離せなくなった(了)
Comment On Facebook