緊急事態宣言で、コロナ感染の数が減るか減らないか、それが日本の政局を変える。
しかし、その結果が判明するのは連休明けだ。
だからそれまでは政局は動かない。
私はそう書いた。
どうやらこの私の予想は見事に外れることになりそうだ。
すなわち、連休前に、政局が風雲急を告げる事になりそうだ。
その引き金を引いたのは公明党の山口代表だ。
一人10万円の現金支給を安倍首相に提言したからである。
しかもである。
それだけならまだ政局にはならないが、それを、4月22日に成立する予定の今年度補正予算を組み替えて、今すぐ決定せよと注文を付けた。
だから政局になるのだ。
一人10万円の現金支給要請は、安倍首相も最終的には飲まざるを得ないだろう。
そして安倍首相は飲むつもりだ。
しかし、問題は山口代表の言う通り、補正予算を組み替えてまで飲むかどうかだ。
これを飲むか飲まないかが政局になるのだ。
コロナ危機は国民の命を二つの意味で同時に、日増しに、おびやかしている。
医療崩壊が起き、コロナ感染になれば、重篤化したらあっという間に終わりだ。
しかもコロナ感染にかからなくても生活のめどが立たなくなった。
生活崩壊も待ったなしなのだ。
もはや国民は一日も早く現金給付が必要なのだ。
それを知っているからこそ、山口代表は覚悟を決めたのだ。
もし自らの要求を聞き入れられなけば山口代表の面目は潰れる。
安倍首相を見限ることもあり得る。
そして山口代表には勝算がある。
自民党の内部からも一人10万円給付を求める声が上がって来たからだ。
その背景には安倍首相の1世帯30万円の給付に対する不満がある。
国民の不満に背を押されて、自民党の中から安倍降ろしの動きが始まった。
それだけではない。
安倍首相の朋友だった橋下徹が安倍首相の国民救済案では駄目だと酷評始めた。
おりから大阪の吉村知事がコロナ対策で頑張っている。
東京の小池百合子知事が安倍首相の向こうを張って四股を踏んでいるのは見え見えだ。
安倍一強が、コロナ危機で一変し、それどころか、今では一人10万円給付で安倍包囲網が出来つつあるのだ。
その一方で野党は、この政局では蚊帳の外だ。
ひとり10万円は、もともと野党が一貫して言って来た事だ、と負け惜しみを言うしかない。
ならば野党は、やけくそで4月22日の補正予算通過を阻止したらどうか。
公明党が要求しているように、補正予算を組み替えて10万円給付を4月中にも行うように要求し、それが認められなければ、審議拒否して解散総選挙に追い込んでらどうか。
今度の審議拒否だけは世論も味方するだろう。
結論から言えば、私は安倍首相は山口公明党代表の組み替え要求を飲んで、4月中にもひとり10万円給付に応じると思う。
そうしなければ安倍政権はもたないからだ。
しかし、ここで安倍首相が山口代表の要求を飲めば、安倍首相は指導力を持たない腰砕け首相であるという烙印を押され、死に体政権になる。
どっちに転んでも、安倍辞任の流れが進む。
連休前に政局は風雲急を告げる事になる(了)
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