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安倍首相の「賭け」につき合わされてはたまったもんじゃない

  東京五輪が1年程度延期された背景には様々な裏話があるに違いない。

 それをさぐって我々に教えてくれるのが新聞の役目であり、腕の見せ所だ。

 そして、きょう3月26日の毎日新聞が注目すべき記事を掲載してくれた。

 杉直樹、宮原健太という二人の記者が書いた「五輪延期 首相の賭け」と題する記事は、安倍首相がバッハ会長と電話協議する直前の30分前に、大会組織委員長の森喜朗氏と二人で話していることを教えてくれている。

 そのやりとりは、私にとって意外なものだった。

 私は五輪延期に一番反対するのはてっきり森喜朗氏だと思って来た。

 彼には時間がない。

 自分の手で東京五輪を開催できなければ文字通り、「死んでも死にきれない」だろうと思って眺めて来たからだ。

 かつてのふくよかだった容貌が一変して、鬼気迫る形相になっている姿を見るたびに、私はそう勝手に思い込んできた。

 ところがきょうの毎日新聞の記事によれば、森氏は2年延期もあり得ると安倍首相に伝えていたというのだ。

 1年以内の延期にこだわったのは安倍首相の方だったのだ。

 1年程度の延期をバッハ会長に提案する意向を告げられた森氏は、こう安倍首相に伝えたという。

 「もし1年先に開催できなければ、政治的にも大変な状況になりますよ」と。

 そして、「2年延期という意見もあります」と進言したというのだ。

 ところが安倍首相はワクチン開発は進んでいると説明し、1年延期にこだわったという。

 その後は、既に我々が報道で知っているとおりだ。

 安倍首相が1年程度の延期を言い出し、バッハ会長が100%合意したのである。

 森首相は周辺に、「首相は賭けに出た。うまくいけば良いが・・・」ともらしたという。

 森喜朗氏が良識ある政治家に見えるから不思議だ。

 東京五輪を私物化し、自らの政権延命の為に賭けに出た安倍首相。

 その掛け金はもちろん国民の税金だ。

 こんな賭けにつき合わされては国民はたまったもんじゃない。

 世論の声で辞任に追い込むしかない(了)

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