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五輪延期を自らの延命に利用する安倍首相の究極の悪知恵

 きょうの各紙が報じた。

 16日夜に開かれた緊急G7首脳テレビ会談で、安倍首相は完全な形での東京五輪の開催を目指す方針を伝えたと。

 人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で実施したいと訴えたと。

 それに対して異論を唱える首相はいなかったと。

 この報道は何を意味するのか。

 唐突とも思える、安倍首相のコロナ対策緊急首脳会議における安倍首相の東京五輪への言及をどうとらえたらいいのか。

 ずばり安倍首相は、東京五輪の中止という最悪の事態を避けて、東京五輪の延期を勝ち取ったということだ。

 5月にも最終結論が出される東京五輪については、もはや予定通りの7月実施は100%なくなった。

 中止か延期しかない。

 そして中止となると完全な安倍政権の敗北だ。

 これまでの出費が壮大な無駄遣いに終わる。

 その最悪の事態を回避すべく先手を打ったのだ。

 しかもである。

 大幅延期は安倍首相にとって決して悪い話ではないのだ。

 いっそトランプ大統領の言うように1年以上延期してもいい。

 さすがにその事までにはコロナ危機は終わっているだろう。

 終わっていなければ人類は大変なことになるからだ。

 完全な形の五輪ができるまでいくら延期してもいいのだ。

 中止ではコロナウィルスに負ける事になる。

 まさしく、延期してでも東京五輪を実施する。

 その決意表明が、人類がコロナ危機に打ち勝った証となるよう、延期して完全実施しよう、という安倍首相の発言なのだ。

 各国首脳はコロナ対策と経済危機対策しか頭にない。

 だから安倍首相の延期の要請は議論にならなかったのだ。

 それを容認されたと発表し、メディアにそう書かせたのだ。

 この安倍首相のなりふり構わない訴えは何を意味するのか。

 ズバリ、東京五輪は自分の手で行うという宣言だ。

 手のいい延命策だ。

 見ているがいい。

 やがてIOCは東京五輪の中止ではなく延期を宣言する。

 その時安倍首相は、国民に対して断腸の思いだと悔しさを見せる。

 しかしその後で続けて安倍首相はこういうつもりだ。

 我々はコロナウィルスに負けるわけにはいかない。

 いまこそ日本国民は一丸となってコロナウィルスに打ち勝ち、完全な形の東京五輪を成功させようではないか、その戦いの先頭に私は立つ、と。

 安倍首相の総裁任期は来年の9月まである。

 まだ一年半もある。

 さすがにその時までにはコロナ危機はおさまっているだろう。

 コロナ危機が起こらなければ、東京五輪が安倍首相の引退花道となり、東京五輪後はポスト安倍の政局一色になるところだった。

 しかし、コロナ危機のおかげで東京五輪が延期され花道どころかコロナ対策の先頭に立って走り続けられる。

 レイムダックにならずに、晴れて安倍首相は来年9月の総裁選の任期満了まで務められる。

 そして今後の展開次第では、安倍4選も転がり込んでくるというわけだ。

 突如として言い出した「完全な形」の五輪開催は、究極の安倍延命策であると私が考える理由はそこにある(了)

 

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